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「いただきます」と私が朝食を食べる前に手を合わせて挨拶をする。
それを見ていたコネシマさんは不思議そうに「なんやそれ?」と尋ねてきた。
「この国のご飯を食べる前の挨拶です。食材や作ってくれた人に対する感謝の言葉なんですよ」
私が説明をするとコネシマさんは「いただきます」と、私の見様見真似で手を合わせると挨拶をした。
コネシマさんは相当お腹を空かせていたのか、それはもう素晴らしい食べっぷりだった。朝ご飯を作った私も見ていてとても気持ちが良い。
朝食を終えて「ごちそうさまでした」と言いながら手を合わせる。
コネシマさんは意味を理解したのか、私の真似をして「ごちそうさまでした!」とコネシマさんは元気に復唱をして手を合わせた。お粗末様でした。
kn「A、朝メシ美味かったで。ありがとうな」
「簡単な物ですみません。お恥ずかしながら仕事の帰りが遅くて買い物にも行けずで、冷蔵庫の中にほとんど物が無くって…」
「食べ物くれるだけで、俺は十分助かるわ」と言って、コネシマさんはマグカップに残っていたコーヒーを飲み干した。
「コネシマさん、食べたい物とかあれば教えてくださいね。流石にW国にしか無いものは作れませんけど…」
私の言葉に、コネシマさんはテーブルに身を乗り出しながら「シャケ!シャケは作れるか!?」と驚くほど食い気味に尋ねて来た。
それにしてもコネシマさんの顔が近い。
やっぱりコネシマさんの顔が良すぎるな、芸能人とかでもやっていけそうなのでは。
とにかく顔が良い人の至近距離は、私の目にとって刺激が強すぎる。
「その…コネシマさん。…顔が近いです」
「すまん」と言って、コネシマさんはテーブルから身を乗り出していたのをやめた。
「鮭ですか、でしたら今日の夕飯にでも作りましょうか」
kn「ほんまか!?A、もしかしてプロか?」
プロなんかではない、どこにでもいるようなただの社畜だ。コネシマさんは相当鮭が好きなのだろうか。
コネシマさんと会った中で、一番テンションが高かった。
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