44 ページ44
・
翌日、日曜日。
今日も仕事は休みだ。連休なんて滅多に無いので、二連休の有難みがとても身に沁みる。
しかし悲しいことに、仕事の日と同じ時間に目が覚めてしまった。
毎日仕事が休みだったら良いのに。…なんて仕事を辞めて無職になるしか方法が思い付かなかったので、今の話は無かったことにする。
身支度を整えてからリビングに向かうとコネシマさん、ゾムさん、鬱さんの三人はまだ寝ているようだ。
私はコネシマさんたちの分の朝食を作ってから、自分の分の朝食は適当に苺ジャムを塗った食パンだ。
ニュースを見ながら、パンをもそもそと齧ってコーヒーで流し込んだ。
簡単に朝食を済ませるとテーブルの上に「少し外出をして来ます。朝ご飯は冷蔵庫の中にあるので食べてください」と、書いたメモを置いて気晴らしに外へと出掛けた。
ゾムさんと鬱さんはメモを読めないだろうけど、コネシマさんならきっと読めるだろう。
気分転換と日頃の運動不足解消を兼ねて近所の公園へと向かった。
休日のせいなのか、平日に比べて人が多い気がする。
中には子供たちが集まって遊んでいたり、ラジオ体操をしている人、早朝ランニングをしている人も見受けられた。
公園の中をのんびり散歩をしていると、猫たちに囲まれながらも気持ち良さそうにすやすやと寝息を立てて眠っている男の人を見つけた。
その男の人の傍には紫のヘルメットが置かれていて、お腹にも猫を乗せながら寝ているようだ。
これは珍しい光景だと思ってしばらく様子を観察をしていると、男の人を囲んでいたうちの一匹の猫が私の足元へと擦り寄って来た。
「可愛いね、よしよし。うちで一匹くらい飼えたら良いのになぁ」
喉をゴロゴロと鳴らしながら私に擦り寄ってくる猫。人間慣れをしているのか、とても人懐っこい性格のようでとても可愛い。
本当は家で一人が寂しいのでペットの一匹くらい飼いたいのだけれど、仕事でほとんど家を空けているのでペットのお世話が疎かになってしまう。
なので、泣く泣くペットを飼うのは断念してしまった。
でも今はコネシマさんたちが居てくれているお陰で、寂しさなんて吹き飛んでしまった。
それにしても猫に囲まれてお腹にも猫が乗っているのにもかかわらず、全く起きる気配がしない。先程と変わらずに気持ち良さそうに寝息を立てている。
しばらく寄って来た猫と一緒に遊んでいると、眠っていた男の人がようやく目を覚ました。
1360人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ