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kn視点
ut「なになにー?シッマだけAちゃんから何貰ってんの〜?」
俺がAから本を貰ってたのを見てた大先生が聞いてきた。
kn「大先生とゾムも日本語を勉強する時が来たで」
「えっ」と、思わず声を漏らす大先生。
ut「僕、勉強とかあんまり得意じゃないねんけど…」
「鬱さん、頑張って下さい」とAが苦笑しながら言った。
ゾムが風呂から上がって来て大先生と俺が交代で風呂を済ませると、いつもみたいにAに髪を乾かしてくれた。
Aに髪を乾かして貰ってる時は、どこか懐かしさを感じる。Aと母親を重ねてしまう自分がいて、ついオカンって呼んで揶揄ってしまう。照れ隠しの一種なんかもしれん。
最後に俺の髪を乾かし終わると、Aがスーパーで買ってくれたアイスを渡してくれた。
ソーダ味の棒のついてるアイスを齧ると、冷たくて美味い。
初めてアイスを食べる大先生も「アイスをこの世に生んでくれた人に感謝」と言って喜んで食べとった。
「コネシマさんのアイスの棒に何か書いてませんか?」
Aに言われるがままアイスの棒を見ると、「あたり」の文字が。
「シッマ、何て書いてんの?」と言いながら、ゾムが俺のアイスの棒を見る。
kn「あたりって書いてるわ」
「当たりが出ると、もう一本無料で貰えるんですよ。コネシマさん、運が良いですね」
「へー、そんなんがあるんや」と言いながら、俺はAの助言を元にしてアイスの棒を綺麗に洗って乾かした。
俺たち三人がアイスを食べ終わると「もう夜も遅いので寝てくださいね」とAに寝るように促されて、俺たちは布団に寝転がった。
zm「シッマ、いつまでその本読むん?」
kn「うーん、あともうちょっと」
俺は完全に本の虫になっとる。本屋で読んでた本の続きで、続きが気になって読むのをやめるタイミングを完全に見失ってる。
「そういえばシッマ、さっき言ってた日本語を勉強する時が来たってどういう意味なん?」
「そのまんまの意味やけど」と言って、Aから貰ったひらがなの一覧表をゾムと大先生に差し出した。
zm「なにそれ?」
kn「ひらがなっていうやつや」
「ひらがな」とゾムと大先生が声を揃えて復唱する。
kn「この国文字の中で一番簡単なやつやで」
「これが一番簡単なやつなん…?」とゾムが顔を顰めた。
zm「シッマ、まだ寝んの?」
kn「あともうちょっと」
「それ、さっきも言ってたで」と大先生に電気を消されてしもた。
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