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救急箱の中に入っている常備薬の中身を確認すると、幸いなことに胃薬の予備がたくさん残っていた。
「コネシマさん、鬱さん。これ、良かったら飲んで下さい」
kn「何やこれ？」
「胃薬です。胃もたれに効きますよ」
ut「へー、そんな薬なんかあるんや」
コネシマさんと鬱さんは私から胃薬を受け取ると、二人はおそるおそる錠剤の胃薬を水で流し込もうとする。
錠剤を飲んだことのないらしい二人は、どうやら錠剤を飲み込むのに苦戦しているようだ。液状の胃薬でも用意しておけば良かっただろうか。
二人が胃薬を飲めたのを確認すると、私は胃薬を飲んだ。
zm「皆まだまだ授業が足りひんなぁ」
「ゾムお前、人にはいっぱい食わせといて自分は食べたいだけの量のメシ食っとったやろ」とコネシマさんに指摘をされる。
「せやから、俺は人が食べてるところが好きなんやって！」とゾムさんが恍惚とした表情をした。
ゾムさんが冷凍チャーハンを綺麗に完食すると、「ご馳走さま、美味かったで！お風呂行ってくるわ〜」と言って、機嫌良さそうにお風呂場へと向かって行った。
ut「…なぁゾム、元気すぎん？」
kn「いや、だってアイツ自分が食べれる分しか食っとらへんもん」
「ゾムさんって、ご飯を食べる時はいつもあんな感じなんですか？」と私がコネシマさんと鬱さんに尋ねると、二人は声を揃えて「せやで」と返して来た。
ゾムさんがお風呂に行っている間、私は使用した食器を洗い始めた。コネシマさんと鬱さんは、バラエティ番組を見ながらリビングで寛いでいる。
「コネシマさん、今少し良いですか？」
kn「ん、なんや？」
「コネシマさんにプレゼントです」と言って、ラッピング袋に入った物をコネシマさんに手渡す。
中身はもちろん先ほど三人には内密に本屋で買った本だ。
kn「なぁ、A。これさっそく開けてみてもええ？」
「良いですよ」と返すと、コネシマさんは不思議そうに袋を開けて本を取り出した。
kn「これって、さっき本屋で読んでたやつやん！A、わざわざ買ってきてくれたんか？」
「はい。コネシマさんが好きそうな本を何冊か選びました」
「辞書と平仮名一覧表は、ゾムさんと鬱さんと一緒に使って下さい」
コネシマさんは「ありがとうな、大事にするわ」と言って、私の頭をくしゃりと撫でた。
そういえばコネシマさんって、頭を撫でてくるのが好きだな。少し気恥しいけれど、悪い気はしなかった。
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