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無事に買い物を終えて私とゾムさんと鬱さんの三人で、本屋で待っていてくれているコネシマさんと合流するために本屋へと向かった。
本屋に辿り着くと、何故か人集りが出来ていた。作家さんのサイン会などのイベントをしているのだろうか。
ut「あー、この先に絶対シッマおるわぁ」
zm「顔面偏差値114514が本読んどるんやもんなぁ」
「前から気になっていたんですけど、顔面偏差値114514って何ですか」と、私は思わずツッコミを入れてしまう。
「そのまんまの意味やで?」と鬱さんが答えてくれた。いや、答えになってないのですが。顔面偏差値バグりすぎではないだろうか。
このコネシマさんを遠巻きに見ている人たちは、コネシマさんが本を読んでいる姿をずっと見ているようだった。
人集りをかき分けて進んでいくと、コネシマさんがいた。
コネシマさんはかなり集中しているのか、本の世界に耽っているようだ。コネシマさんの本を真剣に読む姿はとても様になる。
ゾムさんと鬱さんは読めないと言っていたけれど、コネシマさんは難なくスラスラと本を読めているようだ。
「コネシマさん、お待たせしました」とコネシマさんの肩をそっと叩くと、それに反応したコネシマさんが私の方を振り向いた。
kn「A、お疲れさん。目的の物はちゃんと買えたん?」
「はい、お陰様で無事に買えました」
zm「Aにいっぱい服とかパンツ買ってもらったわ!」
ut「Aちゃん好きなパンツ教えてくれんし、いつものスーツは着るのやめて欲しいって言われてしもたわぁ」
kn「それは大先生が悪いわ。俺もあのスーツどうにかした方がええと思うで」
鬱さんは「シッマまでそんなこと言うん…?しんらちゅ…」と嘆いていた。
「皆さん先に本屋の外で待ってて貰っても良いですか?本屋で少し買いたい物があるんです」
私がそう言うと、三人は不思議そうな顔をする。
zm「買いたい物?」
kn「A、一緒に並んで待つで?」
「あー…、そのゾムさんと鬱さんが待てないと思うんで大丈夫です」
ut「Aちゃん、よう分かってるやん」
どうして鬱さんはこうも自慢げなのか。
「行くでと二人とも」とコネシマさんがそう言うと、ゾムさんと鬱さんを連れて本屋から出て行った。
平仮名の一覧表と辞書一冊と、コネシマさんの読みかけの本と数冊の本を三人に内緒で購入した。
家に帰ったら三人にプレゼントしようと思い、私は鞄の中にそっと隠した。
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