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ゾムさんと鬱さんのそれぞれ目的の物を選び終わったので、会計の列に並ぶことにした。
休日なだけあって、やはり人が多いので会計待ちの列も平日に比べてかなり長くなっている。
zm「うわ、人めっちゃ並んどるなぁ」
「土曜日はお休みの人たちが多いですからね」
ut「Aちゃん。これってもしかして、順番回ってくるまでずっと待つ感じなん?」
「そうですよ」と私が鬱さんに答えると、長蛇の列には慣れていないのかゾムさんと鬱さんは一気に肩を落とした。
「時間掛かりそうですし、ゾムさんと鬱さんの二人で向こうにある椅子に座って待っていますか?」
私はそう言いながら、誰も座っていない二人掛けの椅子に指を差した。
ut「Aちゃんだけ一人で並ばせといて、俺らだけ座って待ってるのはさすがに気悪いわぁ」
気遣いの鬼か…!これは世の女の子たちに勘違いされてしまいそうだ。仕事に明け暮れる日々を送り、恋愛から遠ざかっていた人間には毒すぎる。
zm「流石、女のプロ大先生!女の子には優しいな!」
「へえ…、鬱さんいつもこんな感じなんですか」
ut「ちゃうもん!これはAちゃんにだけですー!」
何となくそうでは無いかとは思っていたけれど、女遊び激しそうだな鬱さん。
「それとも本屋でずっと待っていてくれている、コネシマさんの所へ先に行って貰っても良いですけど」
zm「俺らの物買ってくれてるし、最後まで付き合うで」
ut「シッマはどうせ本読んどるし、そのまま待たせといたらええよ」
「コネシマさん、待たせすぎて怒らないですかね」と懸念すると、「こんなんでシッマが怒るわけないって」と鬱さんが言った。
しばらく私とゾムさんと鬱さんの三人で話しながら時間を潰していると、やっと順番が回ってきて会計を済ませることが出来た。
会計待ちに慣れていないゾムさんと鬱さんの二人は、すっかり疲弊していた。やっぱり椅子に座って待っていて貰ったら良かったと反省する。
袋に詰めた荷物は、ゾムさんと鬱さんにすぐに奪い取られてしまった。
「これぐらいなら、自分で持てますよ?」
zm「ええの!Aがわざわざ俺らに買ってくれたやつやし、荷物くらい持たせてや」
ut「そうやでAちゃん。荷物持ちは男の僕らに任せといてくれたらええんやで」
やっぱり二人は気遣いの鬼だ。
世の女の子たちは簡単に騙されないように気を付けよう。私は騙されないぞと、強くそう心に誓った。
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