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衣料品売場にようやく到着すると、ゾムさんと鬱さんの服を早速見繕うことにした。
ut「服なんて別にいつものでええんやけどなぁ」
「ゾムさんはともかく。鬱さん正直に言わせて貰いますけど、あのくたびれたスーツは着るのはやめて欲しいです」
zm「それは俺も思う」
ut「Aちゃん、ゾム。あれは僕のとっておきの一張羅やねん…！」
私が思わず真顔で答えると、ゾムさんが深く頷きながら同意をしてくれる。
鬱さんはあの青のくたびれたスーツが気に入っているのかかなりショックを受けたようだ。お洒落なのか服に無頓着なのかどちらなのか良く分からない。
私はゾムさんと鬱さんの服を一通り選び終えたので、二人には下着を選んで来てもらうようお願いをした。
二人とも服の選び甲斐があるのでいくらでも選ぶけれど、良い歳をした大人なのだから下着ぐらいは流石に自分で選んで来て欲しい。
ut「ちなみにAちゃん、この中やったらどのパンツがええと思う？」
鬱さんが数種類の下着を抱えて戻って来ると、私に下着を見せながら尋ねて来た。
「どれも買いますからね。鬱さん、全部このカゴに入れて下さい」
「Aちゃんがどんなのが好きか、あくまでも参考までに聞きたかったんやけどなぁ」としみじみと言いながら、鬱さんは私が持っていた買い物カゴに下着を入れた。
ut「Aちゃん、ゾムはまだ決めとらんの？」
「ゾムさんはまだ向こうで選んでますよ。鬱さんの方が先でした」
私が答えると、鬱さんは「そっかぁ。僕はゾムより優秀やなぁ」と上機嫌にしていた。
下着を選ぶ早さに優劣などあるのだろうか、誰か教えて欲しい。
しばらく鬱さんと話をしながらゾムさんが下着を選び終わるのを待っていると、ゾムさんが大声で下着をブンブン振り回しながら私と鬱さんを呼ぶ。
zm「Aー！大先生ー！これに決めたで！」
「ゾムさん、周りの人たちに迷惑になっちゃうので静かにしましょうね。あと下着を振り回すのはやめましょう」
「わかった！」とゾムさんが元気の良い返事をすると、下着を買い物カゴに入れた。
子供の引率ってこんな感じなのだろうか。疲労感が徐々に蓄積されていく。
本当に三児の母親になってしまったような気持ちに駆られた。
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