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私が晩ご飯を食べている間にコネシマさんがお風呂を済ませて貰うと、入れ替わりでゾムさんがお風呂に向かっていった。
コネシマさんは今日も相変わらず髪をしっとりと濡らして戻って来た。
「コネシマさん、また髪を乾かしてませんね」
「Aがまた乾かしてくれるやろうなって思ったから」と言って、コネシマさんは当たり前のように私の前に座り込んだ。
kn「いつもすまんな!オカン!」
「だからオカンじゃないですってば、コネシマさん」
kn「いやいや。どこからどう見ても、Aはオカンやろ」
ドライヤーで髪を乾かしながらコネシマさんといつものやり取りをしていると、鬱さんが私とコネシマさんの様子を目に穴が開きそうな勢いで見つめていた。
ut「…なにそれ、シッマだけずるい!!」
「ずるいも何も、Aが最初にしてきたことやし」と、コネシマさんが涼しい顔をしながら鬱さんに答えた。
「Aちゃん、僕にもそれやってくれへん?」と可愛くおねだりをしようとする鬱さん。
顔は良いのに、どうして胡散臭く見えるのだろうか。
「………良いですけど」
ut「Aちゃん、今のその間は何なん!?」
「別に他意はないですけど」と答えると、「なんか思ってることあるやろ」と鬱さんに指摘をされた。
図星を突かれるのは痛い。
「でもその前に、ゾムさんがお風呂から出てきてたらお風呂の使い方の説明しますね」と返すと、鬱さんは「やったー!」と喜びの舞を踊っていた。
「鬱さん、そこまで喜ぶなんて大袈裟すぎですよ」
ut「シッマにだけそんな美味しい思いはさせへんからな」
コネシマさんとゾムさんには、別に美味しい思いをさせてるとは思わないけれど。
ut「…まさかAちゃん、もしかしてゾムにもこれやってたりすんの?」
「ゾムさんにもしてますけど…」と私がそう答えると、鬱さんは「じゃあ、尚更僕にもやってもらわなあかんなぁ。僕だけ仲間外れは嫌やもん」と深く頷きながら言った。
やっぱり鬱さんの距離感は近すぎるような気がする。
コネシマさんとゾムさんとはまた違った距離感で戸惑いを隠せずにいた。
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