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zm視点
窓に張り付いとったヤツは、俺らと目が合ったのに気が付くとめちゃくちゃ嬉しそうに笑った。
zm「シッマ、窓開けたってもええか?」
kn「…ええよ」
念の為に開ても良いか、微妙な顔をしながら答えるシッマに許可を取ってから窓を開けてやる。
?「やっと開けてくれたー!ドア何回も叩いたのに無視するし、二人とも何で開けてくれんかったん!?」
kn「ここの家主が開けるなって言ってたからやで、大先生」
大先生…鬱のいつもくたびれてる青のスーツが、普段よりも更にくたびれて見えた。
kn「大先生、ちなみにどうやってここに来たん?」
シッマが大先生に聞くと、「皆と一緒にシッマとゾムを探しとって、気が付いたらこの家の前におったんや」と言う。
どうやら俺と同じように、捜索中にW国から来てしまったらしい。
ちなみに大先生が言うには、シッマだけじゃなくて俺もW国で行方不明扱いにされたらしい。引続き捜索中になってるみたいや。
ut「それにしてもええ家やな、ここもしかしてシッマの新しい別荘?流石シッマ、脱税してるだけあるわ〜」
kn「別荘ちゃうし脱税じゃなくて節税な、大先生。この家は世話になっとる恩人の家や」
zm「シッマ、とりあえず大先生を家に入れたらへん?」
俺が大先生と窓越しに会話をするシッマに提案すると、シッマは仕方なく玄関の鍵を開けて大先生を家に入れた。
kn「大先生、靴そこで脱いでな」
「ふーん、家の中では靴って脱ぐんやな」と大先生が言いながら、シッマに言われた通りに靴を脱ぎ始めた。
zm「Aが帰ってきたら、びっくりするやろうな」
「また居候が一人増えてもて、Aに迷惑かけてまうな。しかも大先生やで」とシッマが言って、二人で顔を見合わせながら同時に溜息を吐く。
ut「シッマ、ゾム。僕が来て文句あるんー?」
kn「大先生、頼むからAにだけは迷惑掛けんなよ」
ut「ん、分かったわ。ところでさっきから出てくるAっていう人はここの家主の名前なん?」
「せやで」と俺が応えると、大先生が「なぁ、その家主ってもしかして女の子!?」と食い気味に聞いてくる。
あまりにも必死に大先生がAは女かそれとも男なのか、シッマと俺にしつこく聞いてくる。
Aが帰ってくるまでの間、大先生には黙っとくことにした。
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