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kn視点
俺はAが用意してくれた朝メシを、冷蔵庫から取り出して電子レンジで温め直した。
昨日の夜に、前もってAから電子レンジの使い方を教えて貰っといて良かった。そうじゃなかったら、冷たいままの朝メシを食べるところやったわ。
Aの国のものは便利な物ばっかりで何回も驚かされる。
zm「なぁシッマ、ご飯まだなん〜?」
やっとこさ着替えを終わらせてリビングにやって来た。
「もうちょっとでできるし待っといて」とゾムに返すと、ゾムは椅子に座って両足をバタバタとさせながら朝メシが出来るのを待っとった。
kn「ゾム、朝メシの準備出来たで!」
「待ってました!」とゾムは手を叩きながら喜んだ。俺はテーブルの上にAが作ってくれた料理を並べていった。
俺とゾムどっちから提案した訳でもないけど、Aがおらんくてもメシの前の挨拶はちゃんとすることに決めた。
俺とゾムは「いただきます!」と声を合わせて挨拶をすると、朝メシを食べ始めた。
zm「やっぱAのご飯美味いな」
「せやな」と俺はゾムに返す。
朝メシを食べ終えると、以前Aがしていたように食器を水につけておく。
食器の洗い方は勝手が分からんから、今日はAが帰ってきたら教えて貰おっと。
いつまでAの世話になるか分からんのに、何もせんと世話になるのは流石に申し訳ないしな。
zm「それにしてもめっちゃ暇やなぁ。Aまだ帰ってこんの?」
kn「ゾム、まだ朝メシ食ったばっかりやぞ」
ゾムが思った以上に、Aのことを気に入っていてビックリしたわ。初対面でAをナイフで殺そうとしてたとは全く思えへん。
kn「Aは仕事やししゃーないやろ。帰りは夜遅くなるって言うとったで」
ゾムは「そうなんか…。Aと喋りたかったのになぁ」とショックを受けたようや。
kn「ゾムお前、Aのこと相当気に入ってんな」
zm「そりゃあだってシッマお前、あそこまで見ず知らずの俺らの面倒見てくれる子なんて早々居らんやんか」
kn「それは分かるわ。Aはオカンやからな」
ゾムは「シッマもしかして、第一コミュニティ復活したんか!?」と嬉しそうに俺を茶化してきた。余計なお世話や。
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