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「あの…コネシマさん。大変申し上げにくいんですけど、私はW国という名前の国を聞いたことが無いです」
私の“W国という名前の国を聞いたことが無い”という言葉に、コネシマさんのスカイブルーの瞳が揺らいだ。
「そうか…」と、コネシマさんはどこか悲しそうな顔をして呟いた。
「それにこの国は日本という国で、今は戦争のない国なんです。コネシマさんはどうして私の家の前にいたのか、話せる範囲で良いので教えて貰えませんか？」
私がコネシマさんに頭を下げると「ええよ」と言って、コネシマさんはぽつりぽつりと経緯を話し始めてくれた。
kn「W国は今戦争中でな、仲間達と一緒に相手国に攻め込んだんや。それから相手国の奴と接敵してからの記憶が全く無い」
「しかも全く見覚えのない場所やったから、訳もわからず彷徨いてたんや。歩き続けてたら傷が開いてしんどくなってきたから、お前の家の前で休ませて貰ったんや」と、コネシマさんは続けて言った。
どうやらコネシマさんが言うには、意図的ではなく私の家の前に居たのは、偶然だったらしい。
kn「見知らぬ他人のこんな意味分からん話、信じられへんかもしれんけどホンマなんや。なぁ、信じてくれ…！」
必死で頭を下げるコネシマさんはどうしても嘘を吐いているようには思えなくて、私はコネシマさんを信じることにした。
「コネシマさん、顔を上げて下さい」と言うと、コネシマさんはゆっくりと顔を上げた。
「初めはコネシマさんの話を聞いて半信半疑だったのですが、どうしてもコネシマさんが嘘を吐いているようには私は思えなくて…」
「だから信じます、コネシマさんのこと」
コネシマさんは「ほんまか！？ありがとう！！」と予想以上に大きな声を出すのと同時に、嬉しそうに笑みを零した。
第一印象が無愛想なのもあったせいか、顔が良い人の笑顔は反則ではないだろうか。
「コネシマさんがW国に帰れるようになるまで、私がコネシマさんの面倒を見ます。なので衣食住は任せてください」
「どうでしょうか…？」と言って、私はコネシマさんの様子を窺う。
そしてコネシマさんは迷うことも無く、「よろしく頼むわ！」とすぐに答えた。
こうして異世界からやってきた、コネシマさんと不思議な共同生活が始まったのだ。
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