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「コネシマさんに一つ新しいことを教えておきますね」

「ん?なんや?」とコネシマさんが小首を傾げる。

「電子レンジの使い方です」と私は電子レンジに指を差して言った。

普通の温め、600W何分温め、解凍温めは最低限覚えていれば大丈夫だろう。


電子レンジの使い方を一通り教えると、コネシマさんは「こんな便利な物があるんか」と大層驚いていた。
これで明日のご飯以降は、コネシマさんとゾムさんに冷蔵庫に入れた冷たいご飯を食べて貰わずに済むので一安心だ。



コネシマさんが電子レンジの使い方を覚えた頃には、ゾムさんがご機嫌な様子でお風呂場から戻って来た。


お風呂上がりのゾムさんは、「湯船最高やな!」と大絶賛していた。
改めて日本文化は素晴らしい、と思わず感心をする。


ゾムさんもコネシマさんと同じように綺麗な髪をびしょ濡れにしている。
W国の人たちは髪を乾かす習慣が元々無いのだろうかと疑問に思うけれど、きっとこれはコネシマさんとゾムさんの性格上の問題な気がする。


「ゾムさん、ちょっとこっちに来てもらっても良いですか?」

ゾムさんにこちらへ来てもらうように手招きをすると「なんや?」と言って、ゾムさんは私の元へと駆け寄る。


zm「どうしたん?」

「ゾムさん、私の前に目の前に背を向けて座って下さい」


ゾムさんは大人しく、私に言われた通りに座ってくれた。

コネシマさんはゾムさんがこれから私に何をされるか分かっているので、笑いを堪えていて体が明らかに震えている。こちらは至って真剣なので笑わないで頂きたい。


「…コネシマさん、笑わないでくださいよ」

「すまんすまん」とコネシマさんが謝罪をする。本当に悪いと思っているのだろうか。


私はゾムさんの髪をタオルで軽く拭いて、ドライヤーで乾かし始める。


zm「Aは、もしかして俺のオカンやったんか…?」

「…ゾムさんもコネシマさんと同じ反応するんですね」


ゾムさんがあまりにも迫真な表情で言うものだから、私は思わず顔を顰めてしまう。

するとコネシマさんが笑いを堪えきれなくなったのか、これでもかと言うくらいの大きな声で「アーッハッハッハ!」と爆笑していた。


こんな顔の良い二人の母親になった覚えは私には全く心当たりが無い。



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作者名:じう | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年6月10日 19時

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