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今日の夕飯のメニューははコネシマさんが好きだと言っていた焼き鮭と、味噌汁、ほうれん草とツナのマヨネーズ和えだ。
皿に盛り付けダイニングテーブルに並べ終わり、夕飯の準備が出来たので二人を呼ぶことにした。
「コネシマさん、ゾムさん。ご飯出来ましたよ」
リビングのソファに座って話し込んでいるコネシマさんとゾムさんに声を掛けると、二人はすぐにこちらへやってきた。
kn「シャケやん!美味そうやな!」
zm「お前の手作りなんか?」
「…そうですけど」
鮭を見て喜ぶコネシマさん、まだ私に警戒をして私の作ったご飯を見ながら顔を顰めるゾムさん。
ご飯を食べる前に、お箸の使い方を説明する。
二人とも物凄く器用で、直ぐにお箸を持てるようになった。
説明を終えると「いただきます」と挨拶すると、挨拶を覚えたコネシマさんも元気よく挨拶する。
ゾムさんは聞き覚えのない挨拶を聞くと、「なんなんそれ?新しい呪文か?」と尋ねてきた。
「この国のご飯を食べる前の挨拶ですよ」と言うと、ゾムさんは静かに「…いただきます」と手を合わせて小さな声で呟いた。
kn「Aの作ったメシは美味いで、ゾム早よ食ってみ!」
「ゾムさん。毒とか入ってないので、安心して食べて下さいね」
「それは俺が保証するで」とコネシマさんがフォローしてくれる。
zm「二人がそこまで言うんやったら…」
ゾムさんは初めて使うお箸を器用に持って味噌汁を啜ると、食事を気に入ってくれたのか分からないけれど黙々と食べ始めた。
ゾムさんの反応に緊張が走っている私に構わずコネシマさんは「A、シャケにマヨネーズかけたら美味いで」と言いながら、私の焼き鮭に遠慮なくマヨネーズをかけてくる。
慣れない食べ合わせに恐る恐る食べてみると、意外と美味しいではないか。
「美味しいです、コネシマさん…!」
kn「せやろせやろ!Aもシャケの美味さがついに分かったか!」
機嫌良くコネシマさんは、マヨネーズのかかった焼き鮭を頬張った。
ゾムさんも何も言わず大人しくご飯を食べているので、お口には合ったのだろうか。
『こんなん食えんわ!』とゾムさんに熱々の味噌汁をぶっ掛けられたり、机をひっくり返されたりしなくて良かったと心底ほっとした。
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