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kn視点
「家の前でずっと立ち話をしているのは、さすがに近所迷惑になるので家の中に入りましょう」
Aが家のドアを開けると「どうぞ」と家の中に入るように促された。
ゾムを横目で見ると、相変わらず不服そうな顔をしとる。
kn「ゾム、早よ中入らんかい」
「入ればええんやろ、入れば！」と声を荒げて、ゾムは家の中に入った。
「ゾムさん、ここで靴を脱いで下さいね」
Aがゾムに靴を脱ぐように指摘されると、渋々靴を脱いだ。これは誰もが通る道やな、うん。
kn「なぁ、A。これどこに運んだらええ？」
「昨日の夜に寝ていた客間に運んでもらえますか？」
kn「分かった」
俺は荷物を持って部屋に向かって行こうとすると、「シッマ、俺もついてく」と手持ち無沙汰なゾムが俺の後ろをついて来た。
そんなにAと二人きりになりたくないんか。
Aのことナイフで殺しかけたのもあるし、二人っきりにしておくのも心配や。ゾムが俺に付いて来るのは丁度良い。
荷物を客間に置くと、俺とゾムはすぐにAのところに戻った。
Aはスーパーで買い込んだ食べ物を、大きい箱に詰め込んでいた。Aが言うには、大きい箱の名前は冷蔵庫っていう物で中に入れた物を冷やしておける便利な物らしい。
「今から夕飯を作るので、お二人は待っていてくださいね。積もる話もあると思いますので」と言って、Aはそそくさとキッチンへ向かって行ってしもた。
zm「なぁ、シッマに聞きたいことがあるんやけど」
kn「なんや、ゾム？」
zm「あの女、ほんまに信用して大丈夫なん？」
予想はしとったけど、ゾムはまだAのことをこれっぽっちも信用してないみたいや。
kn「少なくとも、Aには敵意は無いで。見返りも無いのに、俺がW国に帰るまで面倒を見てくれるっていうのはほんま」
zm「いつまでここにおるかも分からんのに？」
「せやで。Aから提案してくれたんや」
kn「それに傷の手当もしてくれたし。せやから、Aは悪いやつとかでは無いで。俺が保証する」
zm「シッマがそこまで言うなら、…まぁ、努力してみるわ」
Aとゾムが少しでも仲良くなれたら、俺は嬉しい。だって俺からしたらAとゾムの二人は、大事な恩人と大事な仲間やからな。
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