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彼の話す口調から関西圏の人かと思ったけれど、関西のことを尋ねても「かんさい…?」と言って首を傾げるだけだった。

まさかこの人は本当に聞いた事もない、W国という国からやって来たのだろうか。

まじまじと改めて彼を見ると、怪我をしているようだった。
 

「取り敢えず詳しく話が聞きたいので、家に上がってください。怪我の手当てをさせてください」


彼は警戒しているのか少し考えた後に「分かったわ」と言って、渋々了承してくれた。



彼を自宅に招き入れると、玄関で靴を脱がずに家に上がろうとしていたので靴を脱ぐように説明をした。


文化の違いなのか彼は「靴って脱ぐもんなんか?」と驚きながらも、私に言われた通り大人しく靴を脱いでくれた。


家の中に入ると部屋の明かりをつけて洗面所へと案内をして彼に手と患部を洗って貰う。

リビングに戻ると、椅子に座って待つようにお願いした。


救急箱から消毒液を取り出し、彼の怪我の手当を始めた。

「少し染みますからね」


彼の腕やなどの患部を消毒し始めると、消毒の痛みに耐える呻き声が聞こえてくる。

私は消毒を終えると、患部をガーゼで保護をして包帯を巻いた。


「お疲れ様です、終わりましたよ」

?「ありがとうな」


来客に何も出さない訳にもいかないので、キッチンで緑茶を淹れると「どうぞ」と言って彼の目の前に置いた。

私はもちろん、先程コンビニで購入したビールと肴で晩酌をさせて頂く。


その一方で彼は警戒しているのかそれとも緑茶が見慣れないのか、険しい表情をしながら湯のみをじっと見つめていた。


「お茶っていって、この国でよく飲まれる飲み物です。毒とか入っていませんので、安心して飲んでくださいね」と伝えると、彼は大人しく飲み始めた。


「改めまして、私は田中Aと言います」

kn「俺はコネシマや。W国の幹部で近距離部隊の隊長をやっとる」


「では、コネシマさんとお呼びしても?」と私が尋ねると「ええよ」と返事が返ってきた。


「W国は軍があるんですね」


「軍事国家やからな」とコネシマさんが答えてくれた。その中でも国の幹部で隊長を任せられているとなると、コネシマさんはW国ではとても優秀な人なのだろう。



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作者名:じう | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年6月10日 19時

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