【シャドウサイド】続章〜4〜妖魔界と鬼族

195☆合流 ページ45

｢わあああっ！蜘蛛の中から鬼が出た！｣


びっくりして、声のした方を見ると見知らぬ男性が叫んでいる。



｢酒呑童子様にAさん！あ、ケータさん、あちらの方々は味方ですよ｣

よく見ると、ジュニアにミッチー、ケースケ君、そしてフクロウさんも居た。


｢え？あの黒鬼が味方なの？｣

｢えと、酒呑童子様です｣


ウィスパーも顔だけ跳ね起きてパッと言った。


｢そうでウィス、もうあたくしを投げるのはやめにして……｣



皆の会話を聞いてると、どうやら彼はケータ、という名前みたいだ。


ケースケ君に顔や名前が似てるなぁ。


フクロウが、私たちにかくかくしかじかと戦況を教えてくれる。




｢なるほどな。つまり今、かなり有利な状況だというわけか｣

｢すごい、これなら倒せるかもしれない！｣


酒呑童子と私がそういう横で、ふとウィスパーが言う。


｢ですが、戦線離脱している方々を回復するのも大事でウィス……。同時にできるでウィスか？｣


ケータさんは悩ましそうな表情になった。

そうしている間にも、女郎蜘蛛が目を覚ましそうになっている。

ふと、迷っていた表情だったケータさんがキリッとして手を握りしめた。



｢できるはず！まぁなんとかなる！｣

｢お父さん、そんなので大丈夫なの!?｣



ケースケが不安そうな声で言ったけど、ケータさんはなんとかなるさ、と呟いてウォッチに手を掛けた。

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