【シャドウサイド】続章〜4〜妖魔界と鬼族

193☆夢物語 ページ43

｢二人で同じ夢を見たんだ｣

改めて考えるとちょっと不思議だね。


｢夢は昔から随分と不思議なものだ。平安時代には『夢に人が現れる時はその人が自分の事を想っている』と言われていたくらいにな。このタイミングでたまたま女郎蜘蛛が出てきたとは少し考えにくくないか？｣


頷く。

｢言われてみれば確かに｣


酒呑童子は続けた。

｢おそらく伝えたいことがあったんじゃないだろうか。A、女郎蜘蛛は他に何か言っていたのか？｣


聞かれて私は夢の記憶を辿った。

目が覚めると酒呑童子が居て、山みたいな場所を歩いていった気がする。


うーん、この辺りはそんなに大事じゃないかな。


そこから女郎蜘蛛を踏みつけて、シャドウサイドとライトサイドの違いに驚いた。


それから過去の何かで女郎蜘蛛と酒呑童子と言い争いになって……で、女郎蜘蛛がとっさに今回の事は違うって言い返した、そうだ。




｢女郎蜘蛛が言うには、前に酒呑童子を騙した？事は自分がやったけど今回は違う、その証拠に自分もここに取り込まれてるんだって。自分そっくりの誰かと、着物の女の人が、犯人だって言ってた｣


｢なるほど、黒幕がいるのだろうな｣

194☆応える→←192☆実

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す