姫と王子の恋愛事情

４７−王子side ページ47

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部屋の前にいたら


響太の告白や美姫の返事が聞こえると思って


逃げるように一階に下りた





優希「あら？どうしたの？」


優磨「んー…………一時避難」


優希「何から？(笑)」






言ったら、バカにされるだろうから言いたくない





優磨「ちょっと色々」


優希「ちょっと色々って、大好きな美姫ちゃんを響太くんと二人きりにして大丈夫？」


優磨「二人きりにしなきゃなんないから、避難してんの」


優希「どういう事？あっ、もしかして……」





多分、母ちゃんの『もしかして』は当たってる…







優磨「それ以上、言わないで」


優希「どういう流れで、そうなったのかわからないけど、あんたは本当にバカ！」


優磨「バカってなんだよ！息子に向かって子供みたいに」


優希「自分の息子ながら、何を考えているのか全くわからない」





呆れたように言われて



自分でも、本当にバカだと思う





優希「美姫ちゃんと響太くんが、付き合う事になっても、優磨は平気なの？」






平気なわけねぇじゃん！



ただでさえ、雰囲気と状況で我を見失って




キスしたこと後悔してんのに…





こんな事なら、最後まで俺がJOKER持っていられたら




美姫に告白したのに……





好きだからキスしたんだ！って




かっこよくもなんでもないけど




想いを伝えられないうちに、誰かと付き合うぐらいなら




俺だって、勇気出して想いを伝えるよ





優磨「平気じゃない……今、メチャクチャ後悔してる……色んな事」


優希「自分がどうしたいのか分かったなら、行動すればいいんじゃないの？」


優磨「………だよね！」





やっぱり、俺の母ちゃん背中の押し方スゴいわ！





-ｶﾁｬ





控えめにドアを開いて美姫が入って来た




早口で、『帰るね』って言うと



呼び止める声を無視して



母ちゃんに挨拶して、顔も見ずに出ていった






優希「追いかけないの？」


優磨「まずは、響太に状況を聞いてみる」


優希「そうね！優磨も後悔しないようにね」


優磨「………ん」





両頬を手のひらで叩いて




気持ちを強く持って部屋に戻った




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