姫と王子の恋愛事情

１５−姫side ページ15

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朝から暗い気持ちで教室に入る




自分の席に着くなり






亮輔「おはよう」






藤ヶ谷くんに声をかけられる





美姫「おはよう」


亮輔「今日は遅かったな」


美姫「……朝の準備に時間がかかって」





本当は違うけど





亮輔「しかも暗い顔」


美姫「そんな事ないです……」


亮輔「まっ、いいや！今日も早く来ると思って、ずっと待ってたんだ(笑)」






私の方に体を向けて座って、ニコニコ話しかけてくる





今は、そんな気分じゃないのに




そっとしといてくれないかな…





亮輔「さっきまで、響太も居たんだけど、来ないから教室に帰ったよ」


美姫「はぁ……」


亮輔「俺にとっては、帰った後に美姫が来たから好都合だったけど♪」







『美姫』



ゆまくんに、名前を呼んでもらえなかった事を思い出して




また、悲しみが押し寄せる






亮輔「そだ美姫！今日こそは、昼飯、一緒に食おうぜ♪」






私の気持ちを無視して、名前を呼び捨てする藤ヶ谷くんにイライラして





美姫「本当に、中島でいいですから！」




-ｼｰﾝ




賑わっていた教室が静まり返って、一斉に視線を集める





美姫「あっ！ごめんなさぃ……」




最後は、消え入るような声で



机に顔をうつ伏せた





周りは、またそれぞれの会話に戻っていく





亮輔「あのさぁ……何が原因かわからないけど」




藤ヶ谷くんの声に、顔を上げずに耳を傾ける





亮輔「そんなに苦しいなら止めたらいいじゃん」





止めたらいい？




止めたらいいって…




藤ヶ谷くんに顔を向けて言った




美姫「何もわからないのに、勝手なこと言わないでよ…」


亮輔「だから、わからないけどって前置きしただろ」





………………確かに言った





美姫「もう、ほっといて……ください」





本当は



いつも、胸が張り裂けそうなくらい痛い



この想いを終わらせたら楽になるのかな……





私、もう疲れちゃった




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