姫と王子の恋愛事情

１３−王子side ページ13

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でも、せっかく隣を歩いてるのに





久しぶり過ぎて



共通の話題も無くて



お互いに沈黙






何か共通の話題、話題、話題………






響太！





いやいや、あいつの名前なんか出したら


それこそアウトだわ！






美姫「ゆまくん、男子校にしたんだね、しかも超難関校」


優磨「親父も男子校だったしな」





声のトーンが、明るい訳ではないけど



向こうから話してくれた





美姫「勉強とJr.の活動を両立して、本当にすごいよ」


優磨「親父譲りの負けず嫌いの血のお陰かな」


美姫「違うよ、ゆまくんの努力の結果だよ」


優磨「あ、ありがとう///」







なんか、すげぇ褒められてテンションが上がる






でも、また沈黙になる





せっかくのチャンス




何か話さないと……






優磨「そっちも、レベルの高い進学校じゃん」


美姫「えっ、……………うん、先生に薦められて」





なんて呼べばいいか困って





『そっち』なんて言ってしまう






その後の話題が続けられなくて、結局




優磨「あー、そういえば話したんだろ響太と！」





あいつの名前を出してしまう






本当に俺ってバカ






美姫「うん、少しだけ」


優磨「響太も、そんな風に言ってたわ！あいつ、仲良くなりたいって言ってたし、いい奴だからよろしくな！」







って、俺、何言ってんの………





話題繋がなきゃって、焦りすぎて




響太の事を推してるし…






美姫「………………うん」


優磨「おぅ…」






仲良くなって欲しいなんて




これっぽっちも思ってないのに





『うん』って返事を聞いて気持ちが落ちる





その後、また沈黙になって駅に着いてしまった





美姫「私、こっちだから」


優磨「あ、だな」


美姫「じゃあ」


優磨「ん」





アイツが、自分の沿線のホームの方に向かう




背中を見送りながら




『明日も一緒に行こう』





どうしても言えなくて




その言葉を飲み込んだ




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