甘すぎくらいが丁度いい (ページ10)

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オオカミさん≒お兄ちゃんページ10

Aside。

.

「もしもし」

倉『あっ出た！

良かったー

おはよお』

「おはよ…

どうしたの？」

倉『全然LINEの既読つかへんから

ちゃんと送ってもらえたか心配になって。

横山くん送り狼なってへん？』

"って、んなわけないか"

とヘラヘラ笑うたつよしくん。

あながち間違いでもないような…

「ちゃんと…は、帰れてない

実は昨日のことほとんど覚えてなくて…」

倉『えっ！

じゃあ横山くんに引っ付いて離れへんかったことも？』

「ええ！何それ？！」

チラリと横山さんを見ると

不思議そうにパチパチと瞬き。

倉『Aちゃんむっちゃお酒飲んでたからなー

覚えてへんのもしゃあないか

横山くんがAちゃんのこと送る言うて

一緒にタクシー乗って帰ってってんけど…

もしかして、オオカミさんなってもた？』

「オオカミ…」

横「お…！？

ちょっ、Aに何言うてんの？」

倉『やば、横山くん近くにおんの？

ごめんAちゃん！切るわ！

詳しいことは横山くんに聞いて！』

「あっ！

切れた…」

たつよしくんによって一方的に終了させられた通話。

手元の携帯電話の画面は真っ暗に。

「充電も切れた…」

横「取り敢えず充電しい

Aは今日早いん？」

「ううん」

横「んなら朝飯食うてったらええわ」

「ありがとう…」

横「充もはよせな間に合わんで？」

充「はーい」

私の手から携帯を奪うとベッドサイドの充電器に繋げてくれて

弟さんにお風呂を促して

自分は財布を持って眼鏡をかけて靴を履いてる。

「どこ行くの？」

横「食うもんなんもないやろ

コンビニ行って来るわ」

「え、」

私が行く！と引き止める間もなく扉は閉まった。

「お兄ちゃん…だなあ…」

1人っ子でずっとずっとお兄ちゃんがいる子に憧れていたから

なんだか胸がくすぐったい。