パワフル少年の朝帰り ページ9
Aside。
.
充「兄ちゃん、Aちゃんと知り合いなんやったら
もっとはよ言うてーやあ！
俺が大ファンって知ってるやろーっ！？」
興奮気味に話す少年のようなこの人は
思った通り、横山さんの弟さんらしい。
横「一回落ち着けって充。
まず、なんでお前朝帰りやねん」
充「同窓会行ったら終電逃してもーて
友達んとこ泊めて貰った！
って、兄ちゃんにLINEしたけど」
横「マジで？」
充「おん！
勤兄ちゃんは彼女んとこやって！
…まあそれもLINEしたけど」
彼の言葉に慌てたように携帯を触る横山さん。
横「ほんまや…」
充「もー！しっかりしてぇや兄ちゃん！」
横「ちょお…お前あんまデカい声出すなって…
頭に響く…」
思わずコクンと頷く。
二日酔いの身には元気な声がよく響いて正直キツい。
充「うわあ！Aちゃんも響いとった？
ごめんなさい！」
「いえ…だいじょぶです…」
横「やから、それが響くねんて…」
呆れ顔。
初めて見るお兄ちゃんな素顔だ。
横「どこまで覚えてる？」
キッチンの床に足を崩してペタンと座る私に
目線を合わせるようにしゃがんで問いかけてくる。
「えっと…
あ！
唯子ちゃんと連絡先交換したとこまで！」
そう答えると横山さんは
ポリポリと頭を掻いて
困ったような、面倒くさいような顔をする。
これは…後者だな。
横「全然覚えてへんやん…」
弟さんは私達の顔を交互に見て様子を伺ってる。
と、そんな時。
私の携帯が震えながら着信を知らせ出す。
画面に表示されたのは
"着信:大倉忠義"の文字。
オオカミさん≒お兄ちゃん→←やらかしガール 2017/6/18
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作者名：和海
| 作成日時：2017年6月16日 17時
