ファン歴半年 ページ37
Aside。
.
久し振りの実家で
久し振りのお母さんの手料理を食べる。
まともな食事も久し振り。
痩せたんちゃうー？と心配そうなお母さんに
実はまた失恋してね！？と愚痴を零せば
そんな男別れて正解や！とお父さん。
元々関西の人じゃないのに
大阪生まれのお母さんの影響でか
すっかり方言が移ってる。
周りが関西人ばかりだから
環境の影響も受けてるんだろうけど。
母「でもあんたはほんまにもうちょっと素直にならなあかんと思うで〜」
父「十分素直やろ！」
母「あんたの意地っ張りなとことか全部
お父さんに似てもたなあ」
なんて言われて
お父さんと顔を見合わせて首を傾げる。
母「あのドラマ見たで〜
関ジャニの安くんと共演してたやつ！
『VとOL』！」
「ああ、
ヴァンパイアの安くんと恋するOLのやつね」
母「そうそう！
いやあ〜あの子かわええね〜」
父「母さんなあ
あのドラマ見てからずっと言うてんねん」
母「関ジャニ∞最高やわ！
ファンクラブ入ってもた〜」
何でもないことのようにお母さんの口から出てきた言葉を
脳が理解した時、
ビックリしすぎて飲んでたお茶が気管に入った。
「っごほ、げほっ…
ホントに！？」
母「演技は出来るわ
歌は上手いわ
ギターは弾けるわ
踊れるわ
ほんまなんなんあの子」
「すっかりファンなんだ…」
母「そうやで！
あんたヨコとも共演したことあったんちゃうかった？
我が娘ながら羨ましいわ〜」
「そんな母上にご報告致します
先程まで関ジャニ∞のジャニ勉の収録でございました」
そう告げれば嘘やろ！？と興奮しだすお母さん。
母「生の関ジャニ∞はどうやった！？」
「やっぱり関西ならではのノリの良さ
後、すっごい良い歌 歌う」
母「せやろ！！
もうお母さん半年でCDとかめっちゃ集めたからな
貸したるわAに！
絶対好きなる！」
お父さんに味噌汁をよそう手を止めて
慌ただしく自分の部屋に行ったお母さんは
数分後に沢山のCDとDVDを抱えて戻って来た。
父「親子やからなあ…
多分好きになるもんも似るんやろな」
正直さっきの収録でだいぶ心を掴まれている身としては
何も言い返す言葉が無かったり。
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作者名：和海
| 作成日時：2017年6月16日 17時
