ご返却 ページ25
Aside。
.
横「まずなんで俺ここにお前ら呼びに来なあかんの
自分らの楽屋おれや！」
安「やってぇ
大倉が暇やって駄々こねるから〜」
倉「ちょ、見てぇや横山くん！
ぶはっ
まだなくなってへんの！？
あかん、ツボ！」
たつよしくんが笑いながら私を指差すから
当然横山さんの視線も私に向くわけで。
こんな醜態晒したくない！
とりあえず口を動かすことに専念。
まずは口の中を空っぽにしなきゃ会話も出来ない！
すると、腕で顔の下半分を覆って
一生懸命笑いを堪えている横山さん。
それを見ておもろいやろ！？ってまた笑うたつよしくん。
まって、ナニコレ
屈辱！
なんで横山さんにこんなとこ見られなくちゃいけないのー！
やっとのことでモンブランがなくなって
立ち上がってペコリと頭を下げる。
「今日は宜しくお願いします」
かしこまって挨拶しても
そんなのハムスター状態を見た後じゃ
全然格好つかない。
横「ぶはっ」
笑い堪えきれてませんよ！
倉「あー面白かった！
んなら安メイク行こか！」
安「おん！
じゃあAちゃんまた後でね〜」
ヒラヒラとこれまた可愛らしく手を振って去って行った安くん。
1度ドラマで共演したことあるけど
撮影時から相も変わらず可愛い。
そして2人がメイクに向かったということで
結果的に2人になる。
「服、持って来た！」
スウェットの入った紙袋を
呼吸を整えてる横山さんにズイッと差し出す。
「改めまして、
あの時は本っ当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした…
お洋服から何から何までありがとうございました！」
横「うわ、めっちゃ綺麗にしてくれてる
ん？
これ何？」
「お礼のチョコなんだけど
もうめっちゃくちゃ美味しいの！それ！」
驚いたように目を丸くして
チョコレートの箱を黙って眺めていた横山さん。
そんな横山さんを見ながら
気にいらなかったかな…と不安を募らせていると
パチリと視線がぶつかって
横山さんがフッと笑う。
横「ほんまお前頑なやなあ」
「え？」
横「ええって言うたのに」
「迷惑…だった？」
横「は？
いや、それはない
むしろ嬉しいよ。うん。
ありがとおな」
ポンと頭を撫でられた。
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作者名：和海
| 作成日時：2017年6月16日 17時
