単純プリン ページ15
横山side。
.
で、気ぃついたら朝や。
しかもベッドの中。
いや、なんで？
ちょっとでも音したら起きてまうぐらい神経質。
それはメンバーからの寝起きドッキリでも確認済み。
他人と一緒に寝るなんてもってのほか。
のはずが、
朝までグッスリ。
むしろ快眠。
久々にこんな寝れた。
隣におるはずのAの姿はなくて
寝室を出ればキッチンから聞こえてくる声。
覗くとそこには
何故かしゃがみ込むAと
そんなAの手を取る充。
そう言えば、
Aがテレビに映るたびに
勤と一緒になって可愛い可愛い言うてたっけ…
.
バタバタしつつも
充を仕事に行かせてから
今日は昼からやったことを思い出す。
うわあ…
まだ寝れたな…
二度寝しよ…
Aも仕事が昼からなんを確認して、
彼女の細い手首を掴んで寝室に連れ込んでる俺がおった。
A「え？なに？これ」
「なんか知らんけどお前おったらよお寝れんねん…
ちょっと付き合って…」
Aの声は困惑してる感じやったけど
暫くするとモゾモゾと布団の中に潜ってきて
俺より先にスースーと寝息が聞こえてきた。
そっからAの携帯のアラームが鳴るまで、
1回も目が覚めることなく熟睡。
いつも絶対1回は目ぇ覚めんのになあ…
.
んで、こうなった経緯を話せば素直に謝るA。
A「いっぱい迷惑かけたみたいでごめんなさい」
「珍しいなお前が素直なん」
A「申し訳ないと思った時ぐらいちゃんと謝るよ！」
俺がさっき淹れた、
もはやコーヒーと呼ぶのはコーヒーに失礼なぐらい甘ったるいそれを
グイッと飲み干したA。
「あ、そや
プリン食うやろ？」
A「食う！
もしかしてあのプリン
私のために買って来てくれたの？」
「え、おん
好きやろ？プリン」
A「好き！」
タタタと冷蔵庫に駆け寄って
プリンを取り出しては
鼻歌を歌いながらご機嫌に蓋を開けとる。
A「んー！うまー！」
幸せそうに頬を緩める。
ほんまに旨そうな食い方は大倉とええ勝負。
A「横山さん最高！大好き！」
「たかがプリンで単純な奴」
でも
「あんま簡単に大好きとか言うなよ」
キョトンと俺を不思議そうに見てくるA。
単純なAにドキッとさせられたなんて口が裂けても言われへん。
俺も相当、単純やなあ。
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作者名：和海
| 作成日時：2017年6月16日 17時
