【銀魂】シ ュ ガ ー ポ ッ ト

sugar１７．神威 ページ18

『……まだ食べるの？』





店に入ってから早ニ時間は経過している。私はとっくのとうにお腹が満たされたのだが、目の前の彼氏である神威はまだ余裕そうに口いっぱいご飯を頬張った。


彼が美味しそうに食べているところを見るのは好きだ。しかし、限度というものがあるのを知ってほしい。




『もちろん食べるよ？』




「美味しいんだもん」と小首を傾げてはニッコリと微笑む。そんな顔を見せられては怒るに怒れなかった。

しかし私は、既に今日という1日が半分以上終わってしまったことを時計を見て確認する。




『……私さ、久しぶりに休みが取れたんだよね』




ここ最近仕事仕事と忙しく、神威と会う時間すら取れなかったほど。会いたくても残業ばかりで、彼と取っていた連絡も、「残業だから会えない」……なんて悲しい内容ばかりだった。


だからこそ、休みの今日くらいは彼の隣で過ごしたいと思っていたのだが、いつまで経っても昼食は終わらず、私の欲する甘い彼はまだ現れない。





『仕事お疲れさま』
『もう食べ終わったよ』




「店を出よう」とテーブルの伝票を取ってはレジへ一直線に向かう。そうして店を出てはぶらぶらと二人で歩く。

くだらない話ばかりでも私はそれが楽しくて、仕事で疲れていた身体もどこかリラックスしてきた。




『……ねえ、俺お腹空いちゃった』

『え？』




「まだ食べる気？」と眉をひそめる私にクスクスと笑って見せる。そのまま私の顔に影を作るくらい近づけ、薄く開いた唇で食べるように私の口唇にキスをした。




『Aが食べたい』

『……よくそんな台詞言えるね』




「恥ずかしくないの？」と聞けば、「どこが？」と真顔で返されてしまう。「本当のことだから、言っちゃうんだ」と小さく笑った彼は私を抱きしめ、帰ろうと歩き始めた。


絡まる互いの指先と、合っている歩調。
「好きだよ」の意味を込めてキュッと握りしめる。





『残さず食べて』

『そんなの当たり前でしょ？』

sugar１８．桂小太郎→←sugar１６．沖田総悟

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す