【マギ】練家の末娘２

第３３話 ページ3

珠来side

姫様に言われたので急いでシンドリアに向かう

眷属の力を使えば簡単だが

最近は同化が進んでいて

身体中が痛い

珠「っ！」

ごぷりと口から血が溢れてくる

最悪だ

船に乗るのを断念して

近場にあった宿に泊まることにした

部屋に入り服を脱ぎ捨てる

同化が徐々に進んできていて

黒い羽みたいなのが体から生えてきている

まだ服で隠せているが

直に皆にもわかるようなるだろう

もう既に左腕は無い

翼のようになってしまっている

これからどんどん人じゃなくなる

人には戻れない

それでも

そうなっても姫様の

Aの傍を離れることはしない

胸に秘めるこの思いは誰にもわからない

誰にも分かる事はない

人ではなくなってもこの手を汚してでも

守り抜く

そう心に強く思いながらも

痛みに耐えきれずに意識を手放した

その時に見たのは

懐かしい昔の思い出

愛に飢えた可愛らしく狂気的な姫様

本当の母様に愛してもらえずに

儚い目をしたA

その姿に目を奪われた

この子を護りたい

どんな事をしてでも

恋愛感情に似たこの感情は

一体なんなのか

そんな事すらどうでもいいと思った

徐々に意識が戻ってきて

現実に引き戻される

早くシンドリアに行かなくては

痛む身体を無理矢理動かし船に乗る

この船だとシンドリアに着くのは８日後

それまでに身体を少しでも休ませておく

シンドリアに着くと直ぐにシンドバッドの

部屋まで眷属の力で移動する

文を机に置くとすぐに部屋から出ようとするが

目眩がしてその場に倒れ込む

その音が聞こえたのか

バタバタと音がして部屋に人が入ってきた

シンドバッドだったので文の事を伝え

すぐに返事を書かせて

煌帝国に帰る

姫様の部屋に文を置き

寝ている姫様に目を向ける

暫くは姫様の目の前には現れない

私がこんな事になっているのは

自分のせいだと思って欲しくないから

影で見守る事にする

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