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「だからなんで隠そうとするんだよ、そっちの方がオレは辛いって言ってるだろ」

「隠し事をするのがアイドルの本業でしょ?」

「すぐそうやって逃げる」

「スンチョルはすぐ拗ねるよね」

「……オレはお前がわからないよ」

「オレもオレが解らないから、スンチョルと一緒なのかも」





Aがそう言って、オレを安心させようと無理に笑顔を作った。


これだけ長く一緒にいたところで、Aはオレに頼らず一人で全部抱え込もうとする。




オレがダメならAは誰に助けを求めることが出来るんだよ。


ジョシュアだったら良いのか?それともハニか?


一番立場が近いところにいるジフナ?それとも頼りきっているホシか?




言い出せばキリが無い。


オレが知らないだけで、Aはきっと他にも重荷を抱えているんだろう。

聞こうとしても、いつだって簡単にはぐらかされてしまう。



せめて誰か一人でも、Aが本心を意のままに吐き出せるヤツがいれば。

そして、それがオレだったら良いのにと、どれだけ願ったことだろう。



どうにも歯がゆく思えて仕方ない。

Aが平気な顔をして意地を張るたびに、Aがいつか消えてしまうんじゃないかと、嫌な事ばかり思い浮かべてしまう。



「戻るぞ」と言ってゆっくり手を引くと、Aは動かず立ち止まったまま、おどけたような口調でオレに笑いかけた。





「手繋いだまま帰るの?オレとスンチョルが仲良しなの、局の人たちにバレちゃうね」

「お前もさっきオレの手を引っ張ってたくせ」

「そうだった」

「……とりあえずお前は今日、オレから一歩も離れるな」

「収録も?」

「オレはそれでもいいよ」

「踊れないじゃん」

「そもそもこの状態で踊れるのか?」

「仕事はしなきゃ、存在価値が無くなっちゃう」

「お前、またそういう事を……」

「ごめんごめん」





Aが「行こうか」と手を掴み直して隣に並んだ。


未だまとまらない頭の中に、強がるAの事を思い浮かべて「今日は眠れないんだろうなぁ」と心の中で愚痴をこぼした。


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せの(プロフ) - ちょんちょんささん» ありがとうございます! (2019年6月6日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
ちょんちょんさ(プロフ) - このお話がとても大好きです!!続編も楽しみにしてます^ ^ (2019年6月4日 11時) (レス) id: bf015467db (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - うゆさん» ありがとうございます! (2019年6月3日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 更新ありがとうございます!毎話毎話、素敵すぎて心がぎゅーっとなります( ; ; )そのままずっといっしょに幸せに暮らしてくれーーーーー( ;∀;) (2019年6月1日 15時) (レス) id: 81aa380229 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます! (2019年5月31日 16時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せの | 作成日時:2019年5月20日 10時

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