男装生活とその日常について３ (ページ43)

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SC「どういう事です、うちのAに誰が何をしたんですか」

＿「スンチョル、」

SC「お前は黙ってろ」

何も言わずにただただ神妙そうな顔で頭を下げる人たちに問い質そうとすれば、Aがオレを制するように胸をトントンと叩いた。

椅子から立ち上がったAを見ると「落ち着いて」と手を握られる。

＿「もうすぐうちの会社の人も来ると思いますし後は偉い人達同士でお願いします。僕も大事になると困るので出来れば内々に済ませたいし、多分そうなると思いますが」

SC「A、」

＿「その代わり、もし番組構成でアイドルに枠が有ったら僕たちで回してくださいね」

SC「お前こんな時に何言って……！」

＿「だってこれじゃ襲われ損じゃん」

「おっと」とAがわざとらしく咳をすれば、黙って話を聞いていたマネヒョンが頭を抱える。

＿「僕はその……こういう状態ですし多分無理なので、空きがあれば他の子をよろしくお願いします」

誰にも有無を言わせず「それでは」とAが深く頭を下げた。

これじゃあどっちが被害者か解らない。

狼狽える大人たちに背を向け、Aがマネヒョンに頷き、繋いだままだったオレの手を引っ張っる。

扉を閉める瞬間に見たマネヒョンが向かいに対峙した人達を見てゆっくりと瞬きをし、ごくりと唾を飲み込むのが見えた。

ああ、きっと本当に偉い人なんだろう、多分。どうでも良いけど。

「A、」

「言いたいことがあるのは解るけどちょっと待って、ここじゃマズイでしょ」

目を合わせようとしないAが、ずかずかとオレの手を引いてエレベーターのボタンを押した。

そんなの待っていられるか。

逆に手を取って、近くの開いている会議室に入ろうとすると、Aの足が止まった。

振り返ってAを見ると、少しだけ戸惑った顔をしている。

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