青色に染まれ

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『A』

「、」






いつもの公園


おれらにとっては仲直りの場所は決まってここだ





いつもAがここに逃げて


それをおれが追いかけて





ブランコに座って仲直りする





最後に来たのは小学生の夏休みだった










『ごめん』

「、」

『後悔してる、思ってもないこと言って』

「ご機嫌取りならしなくていい」

『機嫌取ろうなんか思ってないよ』



「どーせ、かわいくないもん、わたし」





拗ねたようにそっぽを向くA


『かわいいよ』


「うるさい」





『ほんとに思ってる』




Aが腰掛けるブランコの前に屈んで


何とか目線を合わせようとする




『こっち見て？』

「やだ」


『じゃあ向かせる』




Aの頬を両手で包み込みこちらに顔を向けさせる


頬はすでに外の空気で冷やされて真っ赤だった





『他の誰が何言っても


おれにとってはAが1番かわいい




素直になれないとこも、すぐ手出すとこも


一生懸命甘えようとするとこも


全部大好きだよ』





「かわいげないって、」



『感情的になって言っちゃっただけ



おれも素直じゃないの、Aなら分かるでしょ？笑』




「うん、」




『お願い、帰ってきて？』






気付いたら自然と視線は絡んでいて





「ほんとは、もっと甘えたい」



『うん』



「ぎゅーしてって言いたい」



『うん』



「ちゅーもしてほしい」



『うん』



「メイク上手にできたら気付いて欲しいし」



『うん』



「髪の毛上手く巻けたら褒めて欲しい」



『うん』




「かわいくないって、言わないで」





『もう絶対言わない、約束する』



はい


両手を広げると


Aは躊躇しながらも飛び込んできた



これも昔から決まってやること



おれらの仲直りの証だ







『お家帰ろ』

「うん」


『A鼻真っ赤

トナカイみたい笑』


「ばかにしないでよ！笑」


『してないよ笑



すごいかわいいなって』




さっきよりも顔が赤く見えるけど




それは寒さか、それとも＿＿




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