青色に染まれ

. ページ45

.



屋上のドアを開けて隅に置かれたベンチに腰掛けた





『今日の調子はどう？笑』

「絶好調です！やる気満々！目指せ優勝！」



わたしも拓実先輩も同じ赤組





だから思う存分応援できる








『それでポニーテール？』



先輩の長い指が

わたしのポニーテールを少しすくった




「この方が動きやすいので、」

『可愛いやん』




先輩の言葉に少し驚いて

咄嗟に先輩の方を向くと視線が絡まる




「似合ってますか、？」

『うん、めっちゃ似合っとる』

「いつもの下ろしてる髪とどっちが好きですか？？」



『うわむずいなぁそれ、選べん笑

どっちも可愛いで』




こんな甘い言葉を言ってくれてるのに

全く目を逸らそうとしない拓実先輩




きっと今のわたしは茹でダコ状態だ




「あ、そうだ先輩

ハチマキ交換したいです！」


『おお、ええよ』

「おんなじ色でよかった笑」

『ほんまやな笑』



お互いポケットに入れていたハチマキを交換する



『付けてやろっか』

「いいんですか！」




これって前髪の下通すんが正解なん？



って呟きながら悪戦苦闘中の拓実先輩

ちょっと可愛いなんて思ってしまった笑




「通さないのが正解です笑」

『りょーかい笑』



ちょっと前抑えてて〜


そう言われて前に回ってきた部分を両手で抑える



『向こう向ける？』

「はい！」



先輩に背をむけるとスルスルとリボン結びをされる音が聞こえた



『よし、完成』

「ありがとうございま」


お礼を言いかけたその瞬間


お腹の辺りに後ろから拓実先輩の腕が回されてきて




『髪くくるとちょっと無防備になっとって

心配やな笑』




耳元でそう囁いた拓実先輩は


わたしの首の後ろに小さなキスを落とした




.

.→←青すぎる思い出で M.T I.J M.K

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す