青色に染まれ

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可愛いとこその2


おねだりが下手




今見ているのは

Aさんのお気に入りのブランドが出した新作のリップ



ずっと家具見るのは疲れるから休憩らしい笑





明らかに欲しそうなのに


いや、だめだめ




って小さく首を横に振って我慢しようとしてる




俺にバッチリ見られてるのには気付く気配もない







『Aさんそれ買お』

「え！いいの？！


い、いや、だめ！この前も買ったし」

『俺が買ってあげるから』

「だめだよ！だったら自分で、」

『だーめ、俺が買う』




今日は甘やかすって決めたし


これくらいお安い御用だ






「薫、ありがと、」

『いえいえ

いっぱい使って笑』

「使う！絶対！ありがと！！」



ルンルン気分で手提げを見つめるAさんは


この上ないくらいの笑顔を浮かべていて




『ほんと、可愛い笑』




「ん？


あ！ほんとだワンちゃんかわいい！」





わぁ〜！って犬に手を振るAさんの方が


犬の何倍も可愛いのに






『可愛いって言ったのはAさんのこと』

「え、あ、そうなの？！」


『鈍感なとこもかわいいけど』

「き、今日の薫、なんかデレだね、」





今日だけじゃないよ


いつもデレデレだけど



表に出してないだけ








なんて口には出せないけど



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