5 ページ6
一通り話し終わったが、Aは未だに俺の書いた文字をじっとみつめている
言葉を探しているのか、頭の中で文を整理しているのか…
邪魔をしてはいけないと思い彼女が動くのを待つ
少ししてから彼女がゆっくりとこちらに体をむけると手を動かし
仕事 頑張る よろしくお願いします
三つの動きを続けた
「こちらこそよろしくお願いします」
同じ動きをし、軽く会釈をしていた顔を上げると、さっきよりも少し落ち着いた表情をした顔があった
「そうだなぁ……俺も今日、急にだったから何も用意してないな……
えっと、今日はどんな本がどこにあるのかとか場所覚えて貰おうかな?
書くものはここにあるから、メモとか取りながらゆっくり見てみて」
うまく伝わったかな、と思ったけど頷いてくれたところを見ると大丈夫みたいだ
立ち上がろうとした彼女を少し静止させ、急いで紙に【一通り見終わったら、気になる本を一冊見つけて持ってきて】、と書いて手渡した
Aがくるりと向きを変えて歩き出したのを見届け、俺は自分の片付けなければならない仕事に取り掛かった
Aがどんな本を選んでくるのか楽しみだ
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年2月5日 23時