山田家長女と入間家長女の日常 5

182日目 ページ31

三郎の言葉に次は綾瀬が固まった。三郎は少々焦り気味に携帯の電源をつけるも綾瀬はポカーンと口を開けていた。


「いつ切ってたの」と聞くと三郎は「多分ヨコハマについてから」と答えた。


え、お前が電源切ってなかったら私の携帯にストーカーじみた連絡は来なかったのでは。


「ふざけんなよ……」と死んだ目で三郎を見つめていたが三郎の「うわ……」という声で普段の死んだ目に戻った。




綾瀬「私の目は死んでいない……」

三郎「は？何言ってんの」

綾瀬「いや、気にしないで。てか、携帯……やばいね」

三郎「想像以上だった……。」





三郎の電源をつけたばかりの携帯画面にはなんの通知もなかったのだが電波が繋がった途端電話やメールの通知で埋め尽くされたのだ。


いざロックを開きホーム画面を見てみるとメールは100件を超え不在着信も約60件。


携帯画面を二人は顔を引きつらせながら閉じた。





綾瀬「あなたのご姉兄、とんだブラコンだね」

三郎「いや、そんなわけ……」

銃兎「バトルの後左馬刻から聞きましたが、」

綾瀬.三郎「｢？？｣」

銃兎「山田一郎がかなりのブラコン発言をしてたとかなんとか」

三郎「……いやいやいや、それはどこの妄想の世界だよ。二郎と僕ならまだしもいち兄がそんな、ブラコン発言なんて……」

銃兎「めちゃくちゃ可愛いし目に入れても痛くない。と、言ってたらしいですよ」

綾瀬「うわぁ…………」






銃兎の言葉を聞き完全に引く綾瀬と少し嬉しそうな三郎。山田ならまだしも一郎さんってそんなに、あ、そうか…………と1人で視線を外に逸らした。


綾瀬が目を逸らし初めて気づいたのか「あ、もう着くじゃん」と零した。


それを聞き三郎は背中を少しピン、と伸ばす。緊張と怒られる恐怖でまた三郎は携帯を握りしめた。


綾瀬はそれを見て三郎の頭に手を乗せ優しく撫でた。





綾瀬「さぶろーたの友達代表が一緒に行ってあげるから。ビビらず行こうぜいえあ」





そう言って綾瀬は撫でていた手をチェケラに変える。ポカーンとしている三郎に対し「うぇいうぇい」と腕を上下に動かす。


そんな綾瀬に三郎は少し肩の力が抜けたのかいつものように「ノリがウザイ」と冷たく言い放った。


そして3人は車から降り山田家の前に立ち、インターホンを鳴らした。

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