山田家長女と入間家長女の日常 5

祝日2日目 ページ4

綾瀬side






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綾瀬「ねえねえ左馬刻くん」


左馬刻「んだよ。」






まだ10歳の頃かな。お兄ちゃんが好きな物買っていいからって言われて9歳から貯め続けたお金をお兄ちゃんの誕生日プレゼントに使うことにしたんだ。


その日はお兄ちゃんは仕事で私は左馬刻くんのとこに預けられてて。








綾瀬「今日ね、お兄ちゃん誕生日なの」


左馬刻「そうかよ」


綾瀬「うん。それでね、誕生日プレゼント買いに行くの着いてきて欲しい」


左馬刻「なんで俺が着いてかないといかねぇんだよ。簓にでも頼めや」


綾瀬「簓くん今日忙しいって言ってた」








面倒くさそうにため息ついてたけどなんだかんだ優しいからね。車でヨコハマの街に連れ出してくれたんだ。







一椛「ささらくんって誰」


綾瀬「昔の左馬刻くんの友達」








「へー」と興味無さそうに返事をする山田は置いといて。約2年間貯め続けたお金が入った財布を落とさないようにずっと抱きしめて持ってたなぁ。


「何買うんだ？」って左馬刻くんは車を運転しながら聞いてきた。もちろん買うものは決まってたんだよ。








綾瀬「とけい」


左馬刻「時計？」


綾瀬「うん。腕時計。オススメのお店ある？」


左馬刻「時計の店なぁ……」









車を降りてはぐれないように左馬刻くんのズボンを右手で掴んで。左手は財布を抱えて。それで連れてこられたのがまぁすごいよ。


高そうな時計ばっか並んでてさ。確かにオススメのお店聞いたけどなんでこんな高級店なんだよって感じよ。


でもほら、まだ子供だった私に10万とか読めるわけないじゃん？0多いなくらいにしか思わないじゃん？何も考えずに時計みて回ったよね。


何を選ぼうか迷ってたんだけど左馬刻くんは何を勘違いしたのか



左馬刻「俺の顔が利く店だ。好きなん選べ」




って言っててさ。まぁ、何言ってるかよくわからなかったけど今考えてみたら足りない分は出してやるってことだったんだろうなって。

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