参拾弐 ページ32
「冨岡さん」
任務帰りの夜、胡蝶に声を掛けられた。彼方側から声を掛ける時と言えば大抵Aの事だ。
深刻そうな面持ちで胡蝶はAの事を話した。
「最近、Aさんと接吻をしていますか?」
「していない」
「冨岡さんも…ですか。
ここの所、誰とも接吻をしたがらないんです。女性のものでも無い様ですし…」
胡蝶ですら頼らないらしい。なので話を聞いてやって欲しい、との事。
「夜中引き留めてすみません、お疲れ様でした。」と胡蝶は蝶屋敷に戻っていき、俺も自分の屋敷へ向かった。
「ただいま」
「お帰りなさい」
胡蝶が言うに、蝶屋敷にも来ず俺の屋敷で一人過ごしていると聞いた。Aの肌は一層白さを増している様な気がした。
いや、きっとそれだけでは無い。栄養不足だろう。
Aの腰を引き寄せ、暴走してはいけないので第一に接吻を交わそうとした。
「だっ、駄目です」
けど、Aは俺の胸板を押して抵抗した。
今までにそんな事は無かったので、異常なのが分かる。
「倒れてしまうぞ」
何があったのか、理由を聞くがAは眉を下げて何も答えない。
無言なので、答えないと接吻をする、と分からせる為に口を寄せた。
「っん、」
「はっ」
今度は抵抗せずに受け止めてくれた。
けれど、Aの浮かない罰の悪そうな表情が晴れる事は無く、そして、何が問題であったのか分かるのは直ぐだった。
「っ…!」
息が苦しい。
肺が痛い、と言うよりも何か欲を満たそうと考える自分への嫌悪感の痛み。
直ぐ様Aを引き離し手洗いに行こうとした。
けれどAは俺を留め、初めて、Aから
「っん」
「ふぅ、ん…」
接吻を、した。
俺の肩を掴んで必死に身長差を埋めて口を付けたその姿が愛らしく、
「っあ、ふ」
「う、ん、っは」
小刻みに口を離して何度もAと接吻をする。
求められたのがこんなにも嬉しいと知らず、玄関にも関わらずAを押し倒し、両の手を床に付ける。
その手を絡ませ繋げる。
「ぎ、ゆ…さ、んっ」
「っは、んん、っ」
満たされたからか、俺の理性が蘇った。
俺は見境の付かなくなるような人間では無かった筈だ。Aに怖い思いをさせてしまった。
何も言うことが浮かばず、「すまない」と謝礼の言葉を残して外に逃げようとした。
「待ってください…!義勇さんの、せいじゃないです」
Aは砕けた腰で膝を着きながら、俺の羽織りを掴んだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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にゃるす。(プロフ) - 最高でした!!細かい描写とキャラ達の心情が凄く心に刺さりました!!こんな素晴らしい作品を作ってくださり有難うございます!!! (2023年1月30日 21時) (レス) id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
Turtle(プロフ) - 色々とやばかったです、、、。゚(っ´;ω;`c)゚。 (2020年11月30日 23時) (レス) id: ae287d31c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 最高です!義勇好きにはたまりません!最高です! (2020年8月7日 14時) (レス) id: c22bf512a4 (このIDを非表示/違反報告)
リーのアニメ部屋 - アアアアアアアアアア!!千寿郎好きだから感謝!頑張って! (2020年8月5日 3時) (レス) id: 9f28f3c3ee (このIDを非表示/違反報告)
暁明(プロフ) - 銀時さん» 読んで楽しんでくださって嬉しいです。面白いお話作り頑張りますね。 (2020年4月28日 13時) (レス) id: 14dbba7e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ice.11 | 作成日時:2020年3月28日 15時