拾参 ページ13
昨日冨岡さんの屋敷にお邪魔させてもらった時に居た、あの子。Aとか言った、僕より一歳下の子供。
初見では綺麗だと思ったけど、弱々しくて何だか見ているだけで苛々した。
どうせ男からもてはやされて守られているんだろうな、と帰る時には少し嫌うくらいになった。
そんな事を思い出して、非番の今夜は休む。
「…あ、」
昨日、泊まった時に冨岡さんの家に忘れたのだろう。いつも使っている櫛が無く、隊服の胸元が軽かった。
髪が長いので必需品。今行ってもきっとあの少女が居て家にあげてくれる。
早く取り戻したいので直ぐに冨岡さんの家に向かった。
もう着く、あと四半刻もかからない。
門が見えて屋敷を見上げると、どの部屋からも光が漏れていなかった。戸を叩いても応答はない。
「……〜〜…〜!」
「!」
ほんの微かに聞こえた声。叫び声だった。冨岡さんの屋敷からは離れた所。
刀をいつでも抜けるよう、手を添えながら声が聞こえた場所へ走る。
着くと、そこは木々に囲まれて見通しがかなり悪い所だった。鬼の大きな影が掛かっていて、子供が捕まえられていた。
「っ、時透、さん…」
大嫌いな君。鬼の肩に俵抱きにされているから首がかなり切りづらい。
「ったく…何してんの。」
これでも僕は柱だし、少し気をつければ簡単に切れた。崩れていく鬼からAさんも助け、地面に落とす。
声が出てないけど、Aさんは僕に何か伝えようとしてる。
「分かってるよ、鬼がいるんでしょ。」
馬鹿にしないでよ。ちゃんと気配感じてるし。
真後ろから襲ってきた鬼を避ける。
そこで、しまったと考える。僕が避けても今はAさんが居る。舌打ちをして、避けた先で直ぐに鬼の首を切りに掛かった。
「っ、…多いな」
色んな方向から規則性無く鬼が現れる。
守る人間が居なければ余裕だけど、こんなにも多い上に首が固いから少し疲れてきた。
「っう」
背中を爪で裂かれた。そこをまた吹き飛ばされ、木の幹に傷口の背中を打ち付けた。
「時透、さ」
僕に鬼の手が伸ばされる。突然、近く感じる死。
不意にAさんが視界に入る。
目が、合う。
緑色の神秘な瞳は酷く血走って、次の瞬間にはその目から血が流れていた。
僕は鬼の腕を切り落とそうとしていたが、できなかった。
僕が切りかかるよりも前に、謎の爆発があったから。
「…っ!?」
パァン、と大きな音を立てて、血しぶきが上がっていた。
何が起こったのか理解出来ず、血の雨が降ってくるのを感じていた。
その血は、鬼を苦しめて殺していった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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にゃるす。(プロフ) - 最高でした!!細かい描写とキャラ達の心情が凄く心に刺さりました!!こんな素晴らしい作品を作ってくださり有難うございます!!! (2023年1月30日 21時) (レス) id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
Turtle(プロフ) - 色々とやばかったです、、、。゚(っ´;ω;`c)゚。 (2020年11月30日 23時) (レス) id: ae287d31c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 最高です!義勇好きにはたまりません!最高です! (2020年8月7日 14時) (レス) id: c22bf512a4 (このIDを非表示/違反報告)
リーのアニメ部屋 - アアアアアアアアアア!!千寿郎好きだから感謝!頑張って! (2020年8月5日 3時) (レス) id: 9f28f3c3ee (このIDを非表示/違反報告)
暁明(プロフ) - 銀時さん» 読んで楽しんでくださって嬉しいです。面白いお話作り頑張りますね。 (2020年4月28日 13時) (レス) id: 14dbba7e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ice.11 | 作成日時:2020年3月28日 15時