【鬼滅の刃】猫の鳴らす鈴音 (ページ30)

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「出てこい鬼！！！お前の大好きな人間の血だ！！」

炭治郎の上へと肘を乗せた蛇男を、私は睨む。

中では、木箱の蓋が開けられ禰豆子がゆっくりと出てきていた。

「伊黒さん、強く押さえすぎです。少し緩めてください」

「動こうとするから抑えているだけだ」

「竈門くん、肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと、血管が破裂しますよ」

ギリギリと聞こえてくる横の音に私はため息をついて、その腕を掴んだ。

『...あまり口出すつもりはなかったんだけどね』

力を入れれば、目の前の男が私を睨んだ。

「A？！」

『炭治郎、行って』

私は思いっきり力を入れて押さえつけられていた腕を振り払えば、炭治郎は前へとかけて行った。

チャキと刀の音がして一瞬で後ろに下がる。

『...あの人の前で刀を振るうだなんて』

フンッと鼻で笑えば、蛇男は何かグチグチ言っていた。

「...いつの間に、縄を」

目が笑っていない胡蝶と呼ばれた女性が、私が解いた縄を片手に静かに呟いたのが聞こえた。

「禰豆子！！！！！」

目の前の屋敷の中では、禰豆子がそっぽを向いていた。

「どうしたのかな」

「鬼の女の子はそっぽ向きました」

「不死川さんに三度刺されていましたが、目の前に血まみれの腕を突き出されても、我慢して噛まなかったです」

その様子に、彼はどこか満足気に見えた。

「ではこれで、禰豆子が人を襲わない証明ができたね」

私は息を吐いて、抜こうか迷っていた刀から手を離した。

目の前の蛇男も鞘へと刀を渋々戻している。

「証明しなければならない、これから。炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として役に立てること」

その言葉に、頭をつける炭治郎に私はフッと笑いながら背後の池を眺める。

「炭治郎の話はこれで終わり」

「でしたら竈門くんは、私の屋敷でお預かりしましょう」

パンパンっと胡蝶さんが手を叩くと、どこからか黒子が出てきた。

私の背後へときた黒子に、身を預けようとするとお館様が口を開いた。

「あぁ、A。君はまだ残ってくれ」

『...ん？』

何かしただろうか。