虎三匹 ページ4
『傷、染みると思うけど我慢してね』
そう私の前にちょこんと座る彼に言う
絆創膏やら包帯などを貼っているときに、初めて彼が喋った
？「……俺のこと怖くねぇの……？」
初めて喋ったことに驚きつつも、私は作業の手を止めず、目線だけ彼に向けた
『………なんで？』
彼は少し私から目線を逸らし、言った
？「だって……俺こんなんだし……」
表情を曇らして、彼は気まずそうに言った
『人の在り方は人それぞれだよ。仮に君が殺人鬼だろうと、私には関係ないし。殺してくれるなら本望だよ。』
私は彼が殺人鬼と言う言葉にぴくりと反応したのを見逃さなかった
『さ、手当ては終わったよ。お腹すいてる？ごはんできてるけど……』
？「食べる」
ーーー
席に座り、目の前でご飯を食べる彼をじっと見つめる
？「……見られると食べずらい」
『ん？……あぁ、ごめん。なんだか誰かとご飯食べるのって初めてって言うか……あんまりなかったからさ……？』
そう言うと、彼は素早くご飯を食べ終わり私の方に向き直ってこういった
？「俺のこと追い出さないの？」
そう言った彼の言葉が上手く分からず混乱していると
？「おねーさん喧嘩とか縁無さそうだし……」
そう言われて初めて、あぁ、そういうことかと分かった
『たしかに喧嘩に縁はないけど、ただの好奇心だよ。』
そう、ただの好奇心だった。初めて抱く好奇心に身を任せてみただけ
あとは、彼のしたいようにしたらいい
？「俺……人殺したことあるんだ……」
普通なら怖がって彼を追い出すのだろう。けど、私は特に何も思うことはなかった
？「追い出したくなる……？」
不安そうな今にも泣きそうな顔で話す彼にわたしは
『別に、だってわたしだって 人殺して るし』
？「え……」
ビックリする彼を横目に私は続けた
『私、中学の時にイジメられてて、けど、あいつのせいで死ぬのなんてごめんだからさ、屋上から突き落としてやったの。少年院に行ったけど、私全然反省なんてしてないもの。』
『だって、そうするためにやったんだもん』
彼に視線を戻すと、彼は目がゆらりと揺れていた
まるで、すがるようなそんな表情をしていた
『でも、キミは違うんでしょ？望まない死だったんでしょ？大切な人かなにかだったんでしょ？』
そう言うと、彼の綺麗な瞳からは大きな雫がぽろぽろと流れてきた
『私は君を攻めないよ。だって、私の方がずっと悪い人だもの』
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水夜(プロフ) - 初期から見ててくださったんですか!?ありがとうございます！（自分もあおぞらさんの作る物語好きです！） (2021年11月6日 18時) (
レス) id: d3c4f80095 (このIDを非表示/違反報告)
あおぞら(｀・ω・´)(プロフ) - だいぶ初期から見てたんですが、あの、好きです(急やな)応援してます！！！頑張ってください！！ (2021年11月6日 13時) (レス) @page11 id: 11b3922fd9 (このIDを非表示/違反報告)
水夜(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます！更新出来るだけ頑張ります！ (2021年11月6日 0時) (レス) id: d3c4f80095 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - この作品大好きです❗これからも更新頑張って下さい。応援してます。 (2021年11月5日 20時) (レス) @page10 id: 412c62fcd3 (このIDを非表示/違反報告)
水夜(プロフ) - からすさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2021年9月5日 14時) (レス) id: d3c4f80095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水夜 | 作成日時：2021年8月29日 1時
