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第2節 ページ7









久しぶりの暖かい布団だった。電気が消えてから数時間がたった。
安心できるはずだった。


部屋が暗い……人の息が密かに聞こえる…。
心地が悪い…
暗闇が怖い…
逃げたい……







____________。


バンッと銃声が聞こえる。




悲鳴とともに騒がしくなる機内。





『パパ!ママ!!』




両親に向けた叫び。聞こえてくるのは隠れていなさいという命令。






弟の泣きわめく声。







座席の下に潜って身を潜めていた。









座席の前に置いた大きい荷物の間から見える景色。








埃がまって、血生臭い匂いが鼻を刺す。









そして、目を疑う光景____________。










息遣いが荒くなる。暫くして悲鳴すらも聞こえなくなった。











汗が滝のように流れて、顔についた知らない人の血。






目をつぶれなかった。疑っていたかった。








4つ向こうの座席の前にいる拳銃を持った男。








『アヒヒヒヒヒッ』








不気味な笑い方が耳にベッタリとこびりつく。






冷や汗が止まらない。








ハァ…
ハァ…
ハァ…
ハァ…
ハァ……






助けて…






____________。



























「ひっ、」

目を開けば知らない天井。起き上がればデスクで突っ伏して寝る、えーっと…『須貝さん』。
自分は…悪夢を見ていたみたいだ。
自分がソファーで寝てしまったから須貝さんの寝床を取ってしまった。
見ればパソコンがたくさん置いてある。仕事場か。


悪夢の後だからだろうか…。しんと静まったこの空間はあまりにも居心地が悪い。

暗闇の中、自分がたてた音だけが響き渡る。
サンダルを履いて玄関の扉を少しだけ開けると足元にピューっとつんざくように冷たい風が流れてきた。


…後ろを…振り返ってみる。
部屋は暗くて何も見えなかった。それは自分の今の状況を暗示する。
何もない。
何も残ってない。

ただ一つ。残っているのは、この黄色いパーカーだけ。
それだけ。ただ一つ。










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ピーチフラペチーノ(プロフ) - yuriori12911さん» ご指摘ありがとうございます!すみません全然気づいていませんでした…!すぐ修正します。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 多分仮名に あい が登録されているので、「あいつ」の あい が、名前に変換されています。確認してくださると嬉しいです。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 4df0e29a7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピーチフラペチーノ | 作成日時:2021年1月1日 23時

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