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週末明け。ランドセルから取り出したファイルの中にある『入部希望書』に駿貴パパとあいの名前がそれぞれ書かれている。
「あ!入部してくれるの?!」
あいはいつも一番乗りに教室についてゆっくりしているけど、彼女もまたその1人。
わっ!っといたずらな笑みを浮かべて「おはよっ!」と挨拶してくれる。
太陽みたいに笑顔が絶えない彼女は、駿貴パパみたいだなぁ…。
彼女はこの前勧誘チラシをくれたピン留めの女の子。
名前は……宮崎沙彩ちゃん…。
「沙彩…。うん、この前シューズ買ってきたの…」
「そっかそっか〜!やる気満々だね!」
沙彩すごい陸上好きなんだろうなぁ…。
ふっと微笑む。それを見て沙彩は「笑った!ねえ笑ってたでしょ!」とさらにテンションを上げた。
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昼下がりのオフィス。
おれは缶コーヒー片手にレポートを書いている。
「こんにちは、須貝さん」
「うわっ!」
突然上から声が降ってきたもんだから危うくレポートにコーヒー零すところだった。
「なんだ志賀か…。あ、この前はありがとな、買い物付き合ってくれて」
ニコッとピースして笑うと志賀はふふっと笑った。
「いえ朝飯前ですよ。それより、あいちゃんは須貝さんのその笑顔が…
___________________大好きなんでしょうね。」
「え?」
笑顔一点以外な言葉に表情が少し崩れる。
あいがそういってたのか?
「この前一緒に買い物した私の感想です。」
なーんだと思いながらも嬉しすぎてにやけたままだ。
いい意味でペンも進まなくなってしまった。
「そうだ!須貝さん、僕からのプレゼントであいちゃんにパーカーあげたんですよ」
「え?!あれ志賀が買ってくれたのか?!」
私以外誰いるんですか〜と冗談言ったように志賀は手をひらひらさせた。
あの買い物から帰った日からあいは見たことないパーカーを着ていた。
「誰から貰ったの?」と聞いても何でもなくなさそうに「なんでもない」って嬉しそうに言っていた。
そうかそうか…いいものもらったな。
志賀のプレゼントは水色の猫耳パーカーだった。
「嫉妬ですか?」
「いや、可愛かったからオッケーっす」
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ピーチフラペチーノ(プロフ) - yuriori12911さん» ご指摘ありがとうございます!すみません全然気づいていませんでした…!すぐ修正します。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 多分仮名に あい が登録されているので、「あいつ」の あい が、名前に変換されています。確認してくださると嬉しいです。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 4df0e29a7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピーチフラペチーノ | 作成日時:2021年1月1日 23時