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きゅるるー。
誰かの腹の虫が鳴った。まあ俺のではないから9歳のなんだけれど。
床についていた尻を上げ、キッチンへ向かう。手を洗ったけど冷水にしてしまって手が凍りそうだ。
「なんか食う?」
冷蔵庫の中を見ながら聞く。めぼしいものは入っていない。ジュース、パックご飯…あと棚に缶詰あったっけな。
本当にそれぐらいしか入っていなかった。
「い…らない……おなか…空いてない………本当に…」
消え入りそうな声で呟いた。いやいや嘘を付けよ。あんなボロボロで訪ねて来たんだし…。
仕方なくおにぎりを作ってやることにする。
具という具もないから塩むすびだけど。俺の手がでか過ぎてBIGサイズのおにぎりが出来上がった。
「召し上がれ〜」
レストランのような振る舞いが可笑しかったのか、またくすくす笑っていた。俺には普通のこと過ぎて何で笑われているのかわからなかった。
出て来たものはしょうがないと、「いただきます」と手を合わせて食べ始めた。
小さな手では到底持ちきれない大きさだったからか端がポロポロ崩れていった。
パーカーの袖が汚れないように気をつけながら必死そうに口に運ぶ姿を向かいに座って頬杖をついて眺める。
やっと一口。ほかほかのおにぎりの端を口に運んだ。
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ピーチフラペチーノ(プロフ) - yuriori12911さん» ご指摘ありがとうございます!すみません全然気づいていませんでした…!すぐ修正します。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 多分仮名に あい が登録されているので、「あいつ」の あい が、名前に変換されています。確認してくださると嬉しいです。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 4df0e29a7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピーチフラペチーノ | 作成日時:2021年1月1日 23時