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ドアを開けて驚いた。すごく小さい子がこちらを睨んで立っていた。睨むというか…身長的に上目遣いになっているだけだが。
このくらい小さいのならばスコープに映らなかったのも納得だ。

それよりもそいつは傷だらけだった。暗くてよく見えなかったけれど、部屋の光の漏れで確認できた傷は擦り傷や霜焼け、打撲、汚れ等だった。


そいつは半ズボンを履いていて脚には霜焼けが目立った。



(こんな寒い日に…なんで…?)

疑問を募らせていたけど忘れられなかったのがケモ耳のようなものがついたカラッとした黄色のパーカーだった。
それは膝下まであって、肩位置や被っていたフードの大きさもそいつには合わないサイズだ。



「君、どうしたの?」


やっと言葉をかける。続けて「寒くないのか」と尋ねた。しかし、憔悴していた大きい目と目が合うだけで、返事はない。

顔の擦り傷や打撲で真っ先に嫌な想像をした。もしかしたらもしかするかもしれないな。



「とりあえず、上がろうか」


この玄関先で二人見つめあっていても何も起きない。というか寒い。
オフィスに一旦あげて応急処置をしておく。


洗面台からお湯を持ってきて体を拭いていく。
次に手当てを進めた。


「君、いくつ?」



傷の消毒をしながら聞く。なんだか緊張した。貼ろうとした絆創膏をキュッと握る。応えようとする感じはせず、そいつはただただ膝の傷を眺めていた。



「……9………」



聴こうとしなければ聴こえない声で小さく呟いた。細く、小さいか弱い声。それは9歳…小3の声とは思えない。言うなら幼稚児くらいかな。



「そっか…9歳か…名前はなんていうのかな?」



傷の手当ても終わって、今度は目を見ながら聞いた。きっと答えてくれるという期待とは裏腹に今度こそ沈黙が続いた。


どうして名前は言えなかったのか。ずーっと頭を駆け巡った。








___→←第1節



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ピーチフラペチーノ(プロフ) - yuriori12911さん» ご指摘ありがとうございます!すみません全然気づいていませんでした…!すぐ修正します。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 多分仮名に あい が登録されているので、「あいつ」の あい が、名前に変換されています。確認してくださると嬉しいです。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 4df0e29a7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピーチフラペチーノ | 作成日時:2021年1月1日 23時

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