【V4L0】この世界の楽しみ方。

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私の名前はA、
番号12041

まずは私の生い立ちから話したいと思う。


私の生まれはTecnicalと呼ばれる中国のとある施設。

表は孤児を引き取り育てる施設だが、
実際のところは一人っ子政策に寄って溢れた子供を引き取り、いろいろ実験などを行う不法施設だ。


私はそこの従業員との間に生まれた特殊な子供。

親同士が日本人で、日本系の人たちが集まる部屋に入れられて母国語が日本語として育った。


しかし施設全体として中国語を扱うここで、私は必然的に二カ国後話せるようになった。


生まれた時からいろいろいじくり回される子供を見てきた。


私自身もたくさん改造された。


元から持っている天性の勘。

危険なところを察知して安全に動くことができた私は、戦争兵器として改造されていった。


反射神経と視認能力。視界に入ったものをすぐに感知する力を強制的に発達させられた。



しかし、そんな私に転機が来たのは12歳の時。


デジタル系にも力を入れ始めたうちの施設では、esports最強チームをつくる案が立った。


esportsは時に莫大なお金を得る。

どんなタイトルでも活躍するチームを作ろうということで、私はそっちに異動された。


私の才能は敵の裏をかくことにおいて大いに役に立った。

それはどんなタイトルでもそうだった。


今のTecnicalGamingのメンバーは全員23歳。


私と同じ育成部所属だった人工の天才たち。

彼らは私より辛い改造が施されていて、ほとんどの感情を失っていた。


正気を保っていたのは、私だけだった。


そんな私も、15歳ぐらいの記憶がすっぽり抜けている。
多分どこかで何かしらかの実験をされ、事故って記憶が飛んだのだろう。


15歳から23歳にひとっ飛びした気分の私。

身についていたのはひとつのネックレスだけ。


これをなぜ施設でつけていられるのかはわからない。
これも施設の実験の一つかもしれない。


いつまでも私たちは操り人形。


でも前にはなかった寂しさと悲しさと罪悪感が私に残っている。


誰かに謝りたい。会いたい。


そう思うたびに私の頭に頭痛が走る。

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