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SugarZ3ro side
「Aさん?」
俺がそう言って手首を掴み、芸者を止めた。
『え…?』
パッチリと目が合う。
俺はしかとこの目で芸者の容姿をとらえた。
「なーにやってんだよ……」
「おいしゅがあぁぁ!」
そう慌てるチームメンバーなんかお構いなしに俺は芸者に畳み掛ける。
「Aさんですよね。俺たちのこと忘れたなんて言わせないけど」
俺は睨みつける勢いでAさんを見る。
でも彼女は少し険しい顔をしたかと思えば、不安そうな顔でこう言った。
『Ah〜….
少しはわかる英語。まるで知らないと言った顔。
俺はその一言に絶望を感じた。
彼女の手首を掴んでいた手は自然と離れた。
芸者は逃げるように振り向き、離れて行こうとする。
「ねえ」
ところが、驚くことにLazさんが芸者をまた呼び止めた。
「
周り全員が驚いた。
Lazさんがネックレス?どんな風の吹き回し?
しかもそのネックレスは花が象られた女性もの。
Lazさんが付けるとは思えない。
『えっ……where…?』
案の定、芸者も険しい困惑顔だ。
突然聞かれて、思い出しているみたいだった。
よくわからない空気が流れたとき、スッと外野が入った。
「Sorry〜, she is ours.」
言わずもがなわかるだろう。
うちのメンバーに手を出すなってことだ。
「Oh, sorry.」
Lazさんはあっさり引き下がる。
一触即発状態はすんなり終わった。
「おいっ、しゅがーもLazさんも何してんだよっ」
てんたが慌てたように小声で言ってきた。
俺がだってと口答えしようとしたらLazさんが先に口を開いた。
「あれは絶対Aだよ。だってしゅがーの日本語に英語で返してんだから」
「あっ」
みんなも今気づいたと言った表情。当然俺もだ。
「ところどころの相槌の日本人っぽいし……何よりあのネックレス」
Lazさんが気にしたネックレスは芸者がAであることを裏付ける証拠の一つなのだろう。
でもみんな聞くに聞けない。聞いちゃいけない気がした。
でもLazさんが言うなら本当に芸者はAである。
でもなんで。なんで中国にいるんだよ。
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mobutyan(プロフ) - 久しぶりにこんなにも感動する小説を読みました。忙しいかとは思いますが更新ずっと待ってます。 (8月17日 3時) (レス) @page34 id: 97fa38bdce (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - とても面白くて定期的に読み返しています。続きを楽しみにしています! (2023年3月8日 23時) (レス) @page32 id: 87831ffb52 (このIDを非表示/違反報告)
ayuriayuri112(プロフ) - 続き待ってます!応援してます! (2023年1月11日 5時) (レス) id: 598e63f5be (このIDを非表示/違反報告)
無花果(プロフ) - 続き楽しみです!! (2022年12月30日 23時) (レス) @page25 id: d6d10578eb (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 続きが楽しみです!!応援してます! (2022年12月28日 12時) (レス) id: 5a62b2ac70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:baihua | 作成日時:2022年10月22日 22時