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#21 ページ21

SugarZ3ro side


「Aさん?」

俺がそう言って手首を掴み、芸者を止めた。


『え…?』

パッチリと目が合う。

俺はしかとこの目で芸者の容姿をとらえた。


「なーにやってんだよ……」
「おいしゅがあぁぁ!」

そう慌てるチームメンバーなんかお構いなしに俺は芸者に畳み掛ける。

「Aさんですよね。俺たちのこと忘れたなんて言わせないけど」


俺は睨みつける勢いでAさんを見る。

でも彼女は少し険しい顔をしたかと思えば、不安そうな顔でこう言った。


『Ah〜….I think you have the wrong person(人違いだと思います)…』

少しはわかる英語。まるで知らないと言った顔。

俺はその一言に絶望を感じた。


彼女の手首を掴んでいた手は自然と離れた。

芸者は逃げるように振り向き、離れて行こうとする。


「ねえ」

ところが、驚くことにLazさんが芸者をまた呼び止めた。


Your necklace is so cool(そのネックレスめっちゃかっこいいけど). Where did you buy?(どこで買ったの?)

周り全員が驚いた。

Lazさんがネックレス?どんな風の吹き回し?

しかもそのネックレスは花が象られた女性もの。

Lazさんが付けるとは思えない。


『えっ……where…?』

案の定、芸者も険しい困惑顔だ。
突然聞かれて、思い出しているみたいだった。

よくわからない空気が流れたとき、スッと外野が入った。


「Sorry〜, she is ours.」

言わずもがなわかるだろう。


うちのメンバーに手を出すなってことだ。


「Oh, sorry.」

Lazさんはあっさり引き下がる。

一触即発状態はすんなり終わった。


「おいっ、しゅがーもLazさんも何してんだよっ」

てんたが慌てたように小声で言ってきた。

俺がだってと口答えしようとしたらLazさんが先に口を開いた。

「あれは絶対Aだよ。だってしゅがーの日本語に英語で返してんだから」
「あっ」

みんなも今気づいたと言った表情。当然俺もだ。

「ところどころの相槌の日本人っぽいし……何よりあのネックレス」

Lazさんが気にしたネックレスは芸者がAであることを裏付ける証拠の一つなのだろう。

でもみんな聞くに聞けない。聞いちゃいけない気がした。


でもLazさんが言うなら本当に芸者はAである。

でもなんで。なんで中国にいるんだよ。

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mobutyan(プロフ) - 久しぶりにこんなにも感動する小説を読みました。忙しいかとは思いますが更新ずっと待ってます。 (8月17日 3時) (レス) @page34 id: 97fa38bdce (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - とても面白くて定期的に読み返しています。続きを楽しみにしています! (2023年3月8日 23時) (レス) @page32 id: 87831ffb52 (このIDを非表示/違反報告)
ayuriayuri112(プロフ) - 続き待ってます!応援してます! (2023年1月11日 5時) (レス) id: 598e63f5be (このIDを非表示/違反報告)
無花果(プロフ) - 続き楽しみです!! (2022年12月30日 23時) (レス) @page25 id: d6d10578eb (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 続きが楽しみです!!応援してます! (2022年12月28日 12時) (レス) id: 5a62b2ac70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:baihua | 作成日時:2022年10月22日 22時

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