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#13 ページ13

neth side


怪しいと思ってた。

不穏な動きはあった。


少し前に調子が悪いって言った時からなのか

それともずっと前からなのか


「A!?!」

VC越しでもすぐにわかった

Aが椅子から倒れた。

しかも辛そうなうめき声をあげて。


さっきまで大会で大声出してて、喉が痛いなぁなんて思ってた。

でもそんなのどっかへすっ飛んだ。反射で声が出た。


途端に俺の中は、灰色でドロドロとして、ボヤボヤとした気分になった。


「なんで、なんで、俺気づかなかったんだろ

もっと無理やり休ませとくべきだった。

なんでランクあんな毎日行ってたんやろ。
誘ったの俺だっけ。
多分俺やん。

あいつなんか病気でもしてたんか…でもそんなの聞いたことない

うわ……なんで「nethさん!」


popogachiの声が聞こえた。

「ん?どしたん…」


俺が焦ってもダメだ。冷静にならな

そう思ってバクバクの心臓をヨソに返事をする。

「まぁまぁ、落ち着け諸君____」

自分にも暗示をかけるようにみんなに言った。


しかし。


「全部、声出てましたよ…」
ぽぽがそうつぶやいた。

え、なに言ってんのぽぽ。

一瞬そう思ったがすぐに自分のしたことに気づいた。


俺、今の全部声に出てたのか。

「っ…はあぁ……」


不安で溜め込んだ息を吐き出す。

その声は、自分でもわかるほど、震えて、弱かった。


「なんで、Aさんは俺たちを頼ってくれないんだろう」

Meiyがそう寂しそうに呟いた。

みんな黙り込む。俺は、どうしようもない自分に腹が立ってきた。


Aは長い付き合いの俺でさえも頼ってくれなかった。

俺、そんな頼りないかな。

Aの辛いこと、少しだけでも軽くするぐらいの力もないん?


全部全部、俺が弱いから?


Aが頼れなかった自分の不甲斐なさに腹が立って、悔しくて。

今にも溢れ出そうな涙を必死で堪えてるけど、それでも溢れる。


俺はVCをミュートにして、抑えられない悔し涙を擦りながらデスマッチに向かった、

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mobutyan(プロフ) - 久しぶりにこんなにも感動する小説を読みました。忙しいかとは思いますが更新ずっと待ってます。 (8月17日 3時) (レス) @page34 id: 97fa38bdce (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - とても面白くて定期的に読み返しています。続きを楽しみにしています! (2023年3月8日 23時) (レス) @page32 id: 87831ffb52 (このIDを非表示/違反報告)
ayuriayuri112(プロフ) - 続き待ってます!応援してます! (2023年1月11日 5時) (レス) id: 598e63f5be (このIDを非表示/違反報告)
無花果(プロフ) - 続き楽しみです!! (2022年12月30日 23時) (レス) @page25 id: d6d10578eb (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 続きが楽しみです!!応援してます! (2022年12月28日 12時) (レス) id: 5a62b2ac70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:baihua | 作成日時:2022年10月22日 22時

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