あさのおばけ【名前変換オリジナル】

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なにから手をつけようか。俺がそう言ってからずっと沈黙が続いている。

「あ、どんな内容だったっけ？」

「・・・えと、多分、教科書に・・」

「ん？あぁ、これか」

適当に文章引用して感想書いてそれっぽくしときゃいいだろ。ただ書き方とか出だしの文とかどうしたらいいか知らねぇけど。

色々と悩んでいるうちに気づいたら北川さんは次々と書き上げていっていた。

下を向いてずっと集中している。見せてもらいたいが、声をかけたらなんか申し訳ないというか、話しかけるな的なオーラが出ている。

北川さんはそのまま最後の行近くまで書き終えていた。

「どんなふうに書いたん？ちょっと見して」

「え？・・合ってるか、わかんないけど・・・」

「・・・すげぇや」

まるで授業や先生の話をちゃんと聞いていたかのような、そんな内容。

あと、文章力がすごい。なんか１冊の本を読んでいるみたいな。

「こんな論文書店とかに売ってそうw」

「・・え、そう？」

少し苦笑いされたが、小声で「ありがとう」というのは確かに聞こえた。




授業が終わり、帰り支度を始める。

すると、鞄で思いっきり叩かれた。

「・・んだよ」

後ろにいたのは、俊平。

「今日、バイトだろ？あんま時間ねぇぞ」

「え？・・うわっまじかよ！！」

のんびりしてる暇などなかった。急いで教室を飛び出し、電車に飛び乗った。

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