暗い過去？無い無い。チートな異能力？無い無い。これはただの体質...のはず...ってか来んな！その２！

フラグ45 ページ6

中原side

拷問は俺の本分ではない。

加減というものを目の前の捕虜にしてやることが苦手だからだ。


「いい加減吐け」


捕虜の男はうなだれたまま一言も発しない。

やっちまったか。



「.....、ぎは...........う、......ち.......」


「あ？」



息も絶え絶えといった様子で声帯を震わせているが、肝心の言葉にはなっていない。

そいつが繋がれている壁に蹴りを落とす。


「......次は、っ、ゆうえんち...だ...」


そいつはもう驚きも怯えもしない。
いや、表情筋を動かす体力と気力が無くなっただけか。

短く呻くと、また黙りこくった。


「遊園地とはまた...景気がいいなァ」





拷問を終えた階上には姐さんがいた。




「終わったかえ？」
「ああ」

あいつの拷問を俺にやらせたのはこの人だ。

状況を知る者の方がより小さな情報も掴めるのだ、とか何とか言っていたが幹部である姐さんがこの手の話を首領から聞かない訳がない。

ゆっくり茶でも飲んでいたか、俺の下手な拷問を見て愉しんでいたか。


「どうじゃった」
「次は遊園地、だとよ」


遊園地とはまた酔狂な、と袖で口元を隠して笑う。

遊園地というのは、その言葉だけで人を楽しませるらしい。


「ところで、茶はいらぬか」

このタイミングで茶会に誘うという事は

「まだ聞き出せたのか」


他にも情報があるという事だ。


「聞きたいであろう？」


姐さんは意地の悪い笑顔を見せ、踵を反した。
こうなったら着いていくしかない。




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