フラグ77 ページ38
「前置きが長くなりました」
坂口は鞄から書類を取り出した。
「なるべく早くお返事を頂きたいと思っています。福沢社長によろしくお伝えください」
国木田はそれを受け取った。依頼書と業務誓約書、ホチキスでとめられた資料。軽く目を通すと小花衣Aについて事細かに記されているようだった。
「これが代替案、ですか」
国木田は依頼内容を見て、驚くとともに自分がここに呼ばれた本当の意味を悟った。
「はい。彼女の監視、保護を探偵社に委託します」
特務科はなんとしても小花衣Aを管理下に入れると思っていた。この会合もそのために設定されたのだと。そして自分の仕事は、彼女の自由を保証することだと国木田は決意していた。
だが違った。
「彼女はまだ危険を呼んではいません。あくまでも可能性があるというだけです」
それに。
「それに......人間としても異能力者としても彼女はまだ幼い......」
トマトジュースを見つめたままため息をもらした坂口。
その顔に異能特務科としての表情はなく、一人の人間として、小花衣Aの運命に想いを馳せているようだった。
「こんなことを考えてしまうのも、彼女の異能の影響かもしれません」
弱々しく、だけど穏やかに坂口は笑った。
一人ぼっちの雨の中で捨て猫を見つけてしまった時、人はこんな顔をするんだろう。
彼女を束縛してしまうことは簡単だ。
そうすれば平和を維持することも簡単だ。
だが、それでは得られないものがある。それでは失うものがある。
容易なことではないだろう。
でも俺が、探偵社がすべきことは――。
「分かりました。社長に掛け合います」
.
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花岳(プロフ) - チョコレヰトさん» ひゃーー！お褒め頂き光栄です......！ありがとうございます。相変わらずだらだら更新していくと思いますが必ずや完結させてみせますので！応援よろしくお願いします！ (2019年2月11日 11時) (
レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレヰト - おおお…面白いですね！ギャグ一直線って言うわけでもなく、かと言って重すぎるシリアスも無く…！！丁度良くて、見つけて一気読みしてしまいました…w応援してます！更新頑張ってください！いつまででも待ってます！ (2019年1月27日 22時) (レス) id: 9bf0bfde55 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 結愛さん» 素敵なほのぼの文芸部だったんですね...こちらはガチガチ文芸部です...〆切前は常に修羅場で、よく悲鳴があがってます。それはそれで楽しいんですけどね！他校の部活の様子を聞けて嬉しいです！コメントありがとうございました！！ (2018年9月19日 1時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 私も文芸部だったのですが、私の居た文芸部とは違うのですね…。(私の居た文芸部では皆好きなようにお絵描きしてました) (2018年9月17日 13時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 紅夏さん» ありがとうございます！！！！もう、ほんとにありがとうございます。待ってる、と言って頂けるだけで頑張れます。絶対書き上げますので、待ってて下さい！、 (2018年9月17日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花岳 | 作成日時：2018年1月10日 23時
