暗い過去？無い無い。チートな異能力？無い無い。これはただの体質...のはず...ってか来んな！その２！

フラグ59 ページ20

回転輪直径100m、高さ112.5mの観覧車が目を引くこの遊園地。
横浜のシンボルと言っても過言ではないだろう。

夜のライトアップは言うまでもないが、太陽に吼えるように立つ姿も美しい。

園内は休日ということもあって多くの人で賑わっている。


「今日はいい天気だし、一日遊び倒すのも一興だねえ」


いや。楽しむ気満々じゃないですか。

突然呼び出されて衝撃の事実を知って何故か遊園地に来た私の心境を考慮してもらえませんかね！


『流石に一日は......』

「はいこれ」


クレープを差し出される。
いつの間に買ったんだ。


「もうお昼だし」



ちょっとした軽食だよ、そう言って自分のを一口頬張る。

大の大人が嬉々としてクレープを食べるのってどうなんだろう。

少なくとも家のお父さんでは想像できない。



とにかく甘くて生地が薄くて、上手に食べないとクリームが溢れる。


悪戦苦闘しながら周囲を眺めると、私と同じくらいの歳の集団が目に入った。

友人と遊園地...だろうか。

『...............』

誰かと思いきり笑いあったり、馬鹿なことをしたり、そんな青春が少しだけ眩しく映った。




「せっかくだし観覧車に乗っていこうじゃないか！」



空気を読んでか読まずか、太宰さんが叫ぶように言った。

一日は流石にね、私も国木田君に追及されそうだし。そう言う彼のクレープは既に胃の中に収まったようだ。


『国木田君に...って太宰さん仕事中なんですか』

「そうだけど？」

『仕事という名目で思いっきり遊んでませんか！』

「細かいことは気にしナーイ」


へらへらと笑って立ち上がる。

私も急いで残りのクレープをを詰め込み後に続いた。



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